短編
「dream」
白い天井を、ぼーっと見ているミニョ。
額には、冷やしたタオル、頬は、熱で赤みを増している。
時間は、まだ、陽が真上に昇っている昼間。
カーテンをしていても、部屋に陽は射し込んでいた。
朝、熱っぽいだるさを感じ、熱を計ったら、いつもより高めの熱があった。歩くのも、しんどく感じ、仕事場に、電話を掛け、休みをもらった。
ウトウトと微睡みながら、眠りに落ちていく。
夢の中のミニョは、ミナムの格好をしていた。
ミニョの目の前には、テギョンとユ・ヘイのふたりの姿。
テギョンの腕にしがみつくように、腕を組んでいるヘイ。
「…もう、お前は、必要ない。お前のことが、面倒になった。もう、お前が女だと、バレてもいい。オレは、ユ・ヘイのことを愛してるんだ。」
テギョンが、ヘイに微笑むと、その肩を抱き寄せる。嬉しそうに、テギョンに向かって、微笑むヘイ。
「ヒョンニム!!!」
ミニョは、声を出したいのに、うまく出せない。
…お願い!!
…待って!!
…行かないで!!
手を伸ばしても、足を動かそうと思っても、思うように動かず、ふたりの元には届かず、パッと目の前から消えてしまう。
ハッとして、目を覚ますミニョ。冷や汗が、背中を伝い、睫毛も、涙で濡れていた。
「…夢?」
ミニョが、こぼれ落ちた涙を手で拭う。
額に落ちたタオルを拾おうと、ベッド下に手を伸ばすと、先に、大きな手が、タオルを拾った。
「起きたか?」
優しい、その低音ボイスに、顔をあげるミニョ。
そこには、いるはずもないテギョンの姿。
「ヒョンニム…?」
テギョンが、久々に、ミニョに、そう呼ばれて、怪訝そうな顔をすると、ミニョの額に手を当てた。
「まだ、熱が下がってないみたいだな。念のため、病院に行くか?」
首を横に振るミニョ。
「大丈夫です。どうして、ココにいるんですか?」
「…携帯。お前、携帯の電源切ってただろ。何回、電話しても通じなくて、お前の仕事場に電話したら、病欠だと言われて…」
「すみません。」
「本当に大丈夫なのか?」
「はい。お仕事、大丈夫ですか?」
「あぁ…(本当は、久々に早く終ったから、メシでも一緒に行こうか、と思ったのに…)」
ブツブツ呟きながら、口を尖らすテギョン。
でも、熱のせいで、潤んだ瞳と、赤みが増している頬のミニョを見ると、仕方なく、ため息をつくテギョン。
「メシ、食ったか?」
首を横に振るミニョ。
テギョンが、キッチンから、土鍋を持ってくる。
中には、ホカホカのお粥。
「オッパが作ったんですか?」
「これくらいなら作れる」
ミニョが、嬉しそうな笑顔をテギョンに向ける。
スプーンで、お粥を掬って、ミニョの口元に運ぶテギョン。
「ほら、食えよ」
ミニョが、困ったような顔をしながらも、口を開け、テギョンに食べさせてもらう。
ミニョが、やっぱり、恥ずかしくなってきて、「自分で食べます」と言っても、テギョンの手から、スプーンが外されることなく、結局、全部、食べさせてもらい、薬を飲んだあと、テギョンが、布団に入り込むと、ミニョを抱き寄せた。
「風邪がうつります」と言うミニョに、テギョンに、「寝ろ。」と優しく言われ、頭を撫でられながら、ミニョは、また眠りについた。
テギョンのおかげか、ミニョが見た夢は、優しくて温かい夢だった。
☆★☆★
久々の短編です。
熱があるときに見る夢は、変な夢が多いんですよね。イヤな夢とか…。
あとは、テギョンさんに、風邪っぴきミニョちゃんを看病してほしかった…しかも、あまく、優しくね。
逆バージョン(風邪っぴきテギョンさん)も、そのうち書けたらいいなぁと思っています。
それでは、また。
このへんで。
「dream」
白い天井を、ぼーっと見ているミニョ。
額には、冷やしたタオル、頬は、熱で赤みを増している。
時間は、まだ、陽が真上に昇っている昼間。
カーテンをしていても、部屋に陽は射し込んでいた。
朝、熱っぽいだるさを感じ、熱を計ったら、いつもより高めの熱があった。歩くのも、しんどく感じ、仕事場に、電話を掛け、休みをもらった。
ウトウトと微睡みながら、眠りに落ちていく。
夢の中のミニョは、ミナムの格好をしていた。
ミニョの目の前には、テギョンとユ・ヘイのふたりの姿。
テギョンの腕にしがみつくように、腕を組んでいるヘイ。
「…もう、お前は、必要ない。お前のことが、面倒になった。もう、お前が女だと、バレてもいい。オレは、ユ・ヘイのことを愛してるんだ。」
テギョンが、ヘイに微笑むと、その肩を抱き寄せる。嬉しそうに、テギョンに向かって、微笑むヘイ。
「ヒョンニム!!!」
ミニョは、声を出したいのに、うまく出せない。
…お願い!!
…待って!!
…行かないで!!
手を伸ばしても、足を動かそうと思っても、思うように動かず、ふたりの元には届かず、パッと目の前から消えてしまう。
ハッとして、目を覚ますミニョ。冷や汗が、背中を伝い、睫毛も、涙で濡れていた。
「…夢?」
ミニョが、こぼれ落ちた涙を手で拭う。
額に落ちたタオルを拾おうと、ベッド下に手を伸ばすと、先に、大きな手が、タオルを拾った。
「起きたか?」
優しい、その低音ボイスに、顔をあげるミニョ。
そこには、いるはずもないテギョンの姿。
「ヒョンニム…?」
テギョンが、久々に、ミニョに、そう呼ばれて、怪訝そうな顔をすると、ミニョの額に手を当てた。
「まだ、熱が下がってないみたいだな。念のため、病院に行くか?」
首を横に振るミニョ。
「大丈夫です。どうして、ココにいるんですか?」
「…携帯。お前、携帯の電源切ってただろ。何回、電話しても通じなくて、お前の仕事場に電話したら、病欠だと言われて…」
「すみません。」
「本当に大丈夫なのか?」
「はい。お仕事、大丈夫ですか?」
「あぁ…(本当は、久々に早く終ったから、メシでも一緒に行こうか、と思ったのに…)」
ブツブツ呟きながら、口を尖らすテギョン。
でも、熱のせいで、潤んだ瞳と、赤みが増している頬のミニョを見ると、仕方なく、ため息をつくテギョン。
「メシ、食ったか?」
首を横に振るミニョ。
テギョンが、キッチンから、土鍋を持ってくる。
中には、ホカホカのお粥。
「オッパが作ったんですか?」
「これくらいなら作れる」
ミニョが、嬉しそうな笑顔をテギョンに向ける。
スプーンで、お粥を掬って、ミニョの口元に運ぶテギョン。
「ほら、食えよ」
ミニョが、困ったような顔をしながらも、口を開け、テギョンに食べさせてもらう。
ミニョが、やっぱり、恥ずかしくなってきて、「自分で食べます」と言っても、テギョンの手から、スプーンが外されることなく、結局、全部、食べさせてもらい、薬を飲んだあと、テギョンが、布団に入り込むと、ミニョを抱き寄せた。
「風邪がうつります」と言うミニョに、テギョンに、「寝ろ。」と優しく言われ、頭を撫でられながら、ミニョは、また眠りについた。
テギョンのおかげか、ミニョが見た夢は、優しくて温かい夢だった。
☆★☆★
久々の短編です。
熱があるときに見る夢は、変な夢が多いんですよね。イヤな夢とか…。
あとは、テギョンさんに、風邪っぴきミニョちゃんを看病してほしかった…しかも、あまく、優しくね。
逆バージョン(風邪っぴきテギョンさん)も、そのうち書けたらいいなぁと思っています。
それでは、また。
このへんで。