イケメン版
「三銃士」
*7*
ミナムが、騎士団の集会場に行くと、王様より呼び出しがあり、全員が謁見室に集まった。
アン王が、王座に座ると、全員が、頭を下げ、その場に跪く。
「皆、よく集まった。今日は、報告があるのだ。さぁ、出ておいで。」
アン王が、手招きをすると、一人の女性が、奥から出てくる。
「彼女の名は、ヘイだ。我が妻とし、この国に迎える。よって、ヘイの護衛を「三銃士」たちに任せたい。テギョン、我が麗しの姫を頼むぞ」
「仰せのままに…」
テギョンが、恭しく、頭を深く下げます。
"あ、あのヒト…今朝、ぶつかったヒト。テギョンさん…。王様に信頼されてるスゴイ方だったのね。"
一番後ろの列にいたミナムが、テギョンを見ていました。
集会場に戻った、騎士団たち。
「これで、王様、何度目の結婚だろ…?」
ジェルミが、つぶやく。
「確か、今回で、5回目だ。若い姫君だったな。」
指折り数えるシヌ。
「ねぇ、姫様、すごく可愛くなかった?スタイルも良さそうだったし…」
「ジェルミ」
「わかってるよ。そう思っただけ…。」
口をつぐむジェルミ。
「ねぇ、ミナムは、どう思ったぁ?」
ジェルミが、隣に座っていたミナムの方に振り向く。
「どう…って…?」
「お前も男だろ。女子を見て、"カワイイ"とか"キレイ"とかって、あるだろう?」
「あぁ…キレイな方でしたね」
その頃、テギョンは、ヘイ姫に呼び出され、姫の部屋にいました。
「テギョン様のウワサは聞いております。容姿も端麗で、その上、素晴らしい剣の腕前をお持ちでいらっしゃると。そんな方が、護衛してくれるとは、嬉しいかぎりですわ」
可憐な笑顔を浮かべるヘイ姫。
「それは、姫様の期待に添えられるように、私も、頑張らないといけませんね」
テギョンが、口角を少し上げます。
「早速で悪いのですが、明日、どうしても、届けたいモノがあるのです。隣国付近の町でして、アン王に相談したのですが、大変、危険だと。受取人には、私が行くと、伝えてしまったので…どうしたものか…」
「姫様が、城を出るのは、大変危険です。この国は、隣国に狙われています。代わりの者に行かせることにしますので、ご安心を。」
テギョンが跪き、頭を下げます。
ヘイ姫が、微かに、何かを企んだような笑みを浮かべたのを、テギョンは、見ていなかった…。
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