イケメン版

「三銃士」

*4*

「歓迎会」


その日の夜、騎士団の行きつけのパブで、新入りの歓迎会が行われていました。

「カンパーーイ!!」

グラス同士が合わさる音が鳴り響きます。

ミナムは、ひとり、奥のテーブルに座っていると、グラスを持ったジェルミがやってきます。

「お前、コ・ミナムだろ?オレは、ジェルミ。ヨロシク。お前、チビなのに、スゲェーな。オレ、今日の試験、見てたんだよ…って、お前、何も飲んでないじゃん。しょうがない。コレ、飲めよ」

ジェルミが、飲みかけのグラスをミナムに渡します。

「あのぉ…すみません…ボク、お酒、飲んだことないんです」

「そうなんだ。珍しいなぁ。うまいぞ。お前も、そのうち、わかるだろうけどさ、特に、戦いに勝利したときの酒は、最高にうまいんだ。あっ、シヌ兄貴。」


ジェルミが、片手を大きく挙げ、振ると、シヌがジェルミの元にやって来ます。

「シヌ兄貴、紹介するよ。コイツが、新入りのコ・ミナム。」

「やぁ、ミナム。カン・シヌだ。よろしく」

シヌが、ミナムに手を差し出します。

ミナムが、シヌの手を握ると、シヌが、少しだけ首を傾げます。

"コイツ、やけに、女らしい手をしているな…"


「ねぇ、さっきから、テギョン兄貴の姿が見当たらないんだけど…」

「あぁ…テギョンなら、いない。宿に帰ったぞ。」


「テギョン兄貴って、こういう場に、なかなか、いないよね…。苦手なのかな…?」

「元から、人付き合いがうまくないヤツだからな…」

ジェルミが、ふと、ミナムの方を見ると、ミナムが顔を真っ赤にしています。
グラスを見ると、中身が空っぽになっていました。


「まさか、全部、飲んじゃったの?」

「はい…。喉が…渇いてしまって…飲んだら…なんか…しゅごく…眠たいでしゅ…」

ミナムの体が、前のめりになっています。

「あっ、待て。ココで寝るな!!」

「もう…ダメ…お…や…しゅ…み…な…」

ゴツンとテーブルに頭をぶつけながら、スースー寝息をたてるミナム。


「あぁ…寝ちゃったよ…どうしよう…」

「オレが、宿まで連れていく。ジェルミは、ココに残っていればいいさ」

「ありがとう。シヌ兄貴」


ジェルミが去ったあと、シヌが、短いため息を吐くと、ミナムの肩を掴み、体を起こさせ、肩に担いで、立たせると、何か、違和感を感じ、気持ち良さそうに眠るミナムの顔を、ジッと観察します。


"コイツ、男なのに、軽すぎる…。よく見ると、肌もスベスベだし、握った手も、小さく、指も細かった…"


「…まさか、お前は…オンナ…?」

シヌが、目を見開いたまま、眠るミナムを見ていました。


★☆★☆

やっぱり、シヌヒョンにバレてしまった、ミニョさんです。