イケメン版
「三銃士」
*3*
「ライバル認定」
ジェルミが、騎士団の訓練所に着くと、すでに、入団試験が行われていました。
体つきのゴツい力自慢や、腕に自信のある男たちが、並んでいます。
「うわぁ、結構、見た目では、強そうなヤツ、いっぱいいるけど、アイツは無理だな…だって、オレより、チビだし、ヒョロヒョロじゃん」
ジェルミの視線の先には、ミニョ…いえ、ミナムの姿がありました。
「これより、簡単な体力テストを行う。まずは、筋トレとして、腕立て伏せ、腹筋を100回やってもらう。では、スタート!!」
試験官の指示のもと、一斉に、筋トレをはじめる男たち。
「うわぁ、キツそう…。オレには無理…やっぱり…アイツは、ダメみたいだな…。なんで、騎士団になろうと思ったんだろ?」
マ室長が、不安な顔で見守るなか、ミナムが、一生懸命、腕立て伏せをしますが、なかなか上手く出来ず、バタンと地面に倒れてしまいます。腹筋も、起き上がることが出来ず…。"記録なし"という結果に…。
次は、棒にぶら下がり記録を競うテストでは、なんと、大勢の男の中で、ミナムが上位に。
「アイツ、スゲェー!!」
ジェルミが、目を丸くしながらビックリしてます。
結果に、驚きながらも、大喜びのマ室長。
「忍耐力には自信があるんです」
ミナムが、照れながら、答えます。
「位置について…スタート!!」
男たちが、一斉に走る中、ミナムが、ひとり、群を抜いて走り出し、そのまま、1位でゴール。
「アイツ…はやっ」
ジェルミが、口をポカンと開けながら、見ていました。
「スゴイですねぇ。ビックリしましたよ。足も速いなんて…」
「昔から、走るのだけは、得意だったんです」
マ室長が、ニコニコしながら、ミナムを褒めています。
「アイツ、なかなか、やるな…コ・ミナム…お前を、オレのライバルと認定とする」
ジェルミが、ジーッと、ミナムを見据えていました。
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