短編
「Flower Girl」
*secret*
椅子に座るテギョンの膝の上に、あの、ファッション雑誌。
テギョンが、パラパラとミニョのページをめくる。
いつもと全く雰囲気の違うミニョの姿に、口が尖っていた。
結局、ワンが白状してしまい、モデルがミニョだと、バレてしまった。
先ほどまで、シヌとジェルミに、「ミニョだと、わからないほど、見違えたよ」「すんごく、カワイイよぉ」と褒められ、頬を赤く染めるミニョを、テギョンは、離れた場所で、思いっきり口を尖らかし、「馬子に衣裳だろ」と、いらない一言を放ち、他のメンバーの反感を買い、ミニョは、涙目で、今にも、泣きそうな顔で、テギョンを見ていた。
テギョンは、自分が、言ってしまった一言に、バツが悪くなり、自分の部屋に、そそくさと戻ってしまった。
ミニョが、テギョンを追いかけて、ドアをノックすると、部屋の中に入っていく。
「…ごめんなさい。」
ミニョが、正座をすると、床に額が付きそうなほどに、深く頭を下げた。
「やっぱり、私には、似合ってなかったですよね」
俯いたままのミニョが、ポツリとつぶやく。
「そ、そんなことは…ない。ただ…」
ミニョが、顔をあげると、涙で瞳が濡れていた。
その瞳と、目が合ったとき、テギョンは、申し訳なさそうに、瞳を伏せた。
「…悪かった。ただ…お前が、あまりにも、可愛くて、その姿を…他人なんかに見られているのが、気に食わなかったんだ…。」
思ってもいなかった、テギョンのコトバに、ミニョが、驚いたように、パチパチと瞬きをしていた。
「お願いだから、モデルの仕事は、今回だけにしろよ…あんな格好していいのは、オレの前だけでいいんだ。他のヤツらに見せる必要はないからな」
テギョンが、ミニョの頬を優しく撫でる。
コクリと頷くミニョに、満足そうに笑うテギョン。
翌日、テギョンの携帯(パソコン)の画像フォルダの中に、ミニョのモデル写真が入っていることは、誰にも言えない"ヒミツ"である。
★おわり★
☆★☆★
「flower girl」は、ドラマの中では、ほとんど男装で可哀想に感じた、ミニョに、カワイイ格好をさせてあげたくて、書いたモノなんです。
ただ、ミニョを"カワイイ"と思ってもらいたく、オチなど考えておらず、見切り発車ではじめてしまい、しょーもないオチで終わらせていただきます。