短編

「Flower Girl」

*5*


またある日の撮影スタジオでは、ミナムとジェルミの撮影が行われていた。


「ねぇ、このモデルのコ、誰かに似てない?」


ジェルミが、ファッション誌を見ながら、つぶやいた。

メイクルームには、たくさんのファッション誌が積み重なっている。それは、メンズから女性誌まで色々と。
ジェルミが、手に取った雑誌は、女性の人気ファッション誌。

ジェルミが、何気なく、ページをパラパラめくっていると、あるページで手が止まっていた。

「どれどれ…?」

隣に座っていたミナムが、横から覗く。

「確かに…誰かに、そっくりだな…うぅーん…誰だろ?」

ミナムは、腕を組み、首を傾げながら、思い出そうとしている。

「はい、ミナム。前、向いてちょうだい。」

ワンが、ミナムの顔を鏡に向かせる。

「あぁぁぁ!!!」

「何よ、突然。大声出して、ビックリしたじゃない!!」

「ジェルミ!!!オレだよ、オレ…じゃなくて、ミニョだよ!!」

ワンが、ジェルミが持ってる雑誌のページを見て、つぶやく。

「あら、可愛く出来てるじゃない。一度限りだなんて、もったいないかも…」


思わずの出来の良さに、口が滑ってしまい、ワンが慌てて口を塞ぐ。

皆さまは、お気づきであろう…そう、何を隠そう、雑誌に載っているモデルは、コ・ミニョ、張本人。

『恥ずかしいし、お兄ちゃんとかオッパにバレたら、きっと、怒られるので、黙っててくださいね。』

ワンは、ミニョに口止めをされているため、これは、トップシークレットなのである。

ミ「ワンコーディ、まさか、誰だか、知ってるの?」

ジ「ねぇ、知ってるコだったら、紹介してよ!!」


ふたりに、バレてないことに、ホッと胸を撫で下ろすワン。

「残念ね、このコには、カレがいるから無理よ。」


「ねぇ、どんなコ?実物もカワイイ?」

ジェルミは、まだ食いついている。

「私も、一度しか会ってないから、わからないわ」

ワンが、ジェルミのハナシをスルーしていく。

ジ「チェッ。でも、見れば見るほど、ミニョにそっくりだよな。まさか、本人だったりして…」

ミ「ミニョは、この仕事には、興味ないって言ってたけど、また、"誰か"に、お願いされて、無理矢理、引きずりこまれてたら、『わかりました、やります』って言って、やってる可能性もなくは、ない。ねぇ、ワンコーディ」


「ウフフ、アハハ、何、言ってるのかしらねぇ、このコは…」と、変な笑い方をしてるワン


「別人みたいで、最初は、わからなかったけど、まぁ、キレイに撮ってもらって良かったんじゃないの?元がイイから、当たり前だけどな」

ミナムが、雑誌のミニョを見て、つぶやいた。

ジェルミは、イマイチ、ミナムの話の内容が掴めていなく、首を傾げている。


雑誌の中の、ミニョは、花のような、可憐な笑みを浮かべていた。


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