短編

イケメン版「美女と野獣」

*12*



テギョンとシヌは、激しい雨の中、城の塔の上で、激しく争っていました。


「この、醜い野獣め!!オレのミニョを返せ!!」


シヌが、持っていたナイフで、テギョンの背中を突き刺しました。

テギョンが、シヌを手で振り払います。


「うわぁ!!!」

シヌが、そのはずみで、足を滑らせ、塔の下に、まっ逆さまに、墜落してしまいます。


テギョンは、力尽きるように、その場に、倒れてしまいます。


ミニョが、急いで、テギョンの元に駆け寄ると、テギョンの頬に優しく手を添えました。


ミニョの手に、テギョンが弱々しく手を重ねます。


「…もう…一度…会えて…良かった…俺は…お前を…愛してるんだ…」


テギョンが、息切れ切れにミニョに話しかけます。


「…お願い…死なないで…」

ミニョが涙をポロポロこぼします。


「…愛してる…あなたを愛してるの…」


そのとき、最後のバラの花びらが、散りました。


テギョンが、ミニョに微笑むと、ゆっくりと瞳を閉じます。


「…死んじゃ…ダメ…お願い…目を開けて…」


ミニョが、テギョンの身体に、泣きながら、すがりつきます。

そのとき、ミニョの真上から、一筋の光が差していました。


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