短編
イケメン版「美女と野獣」
*5*
マ執事は、「部屋から出すな」と言うテギョンの命令を守らずに、ミニョを食堂へと連れていきます。
"この娘さんなら、あの王子も受け入れてくれるかもしれない…"
マ執事は、ミニョを食堂の椅子に座らせます。
ミニョの目の前には、すでに、ピカピカのお皿と、ナイフ、フォークが並べてあります。
そして、ポットとティーカップのセットが置いてあります。
「さぁ、皆のもの、お客様に、最高のおもてなしを…」
マ執事の声かけに、テーブルに置いてあった、食器たちが動きはじめます。
ミニョは、驚きながらも、目をキラキラ輝かせながら、食器たちの動きを見てました。
ポット夫人が、ミニョに挨拶をします。
「さぁ、温かいお茶でも…」
ティーカップもカチャカチャ音を立てます。
「ミジャおばさん、ちょっと熱くない…?コレ」
「あら、このくらいがいいのよ。少しは我慢なさい!!」
「オレは、ジェルミ!よろしく!!」
ティーカップのジェルミが、ゆらゆらとカップの中のお茶を揺らしてます。
"なんて、不思議なお城なのかしら…"
ミニョは、目も、お腹も満たし、幸せそうな顔をしてました。
「お前たち、何を騒がしくしてるんだ…?」
ドスのきいた低音が、食堂に響きます。
「あ…ご主人様…」
食堂にいた者の背筋が凍ってしまったように、ピーンと張りつめた空気が流れます。
そこには、鋭い牙と金色の瞳をもったテギョンの姿でした。
☆★☆★
テギョンさんのイメージは、まだ、オオカミ男もどき。
人間→オオカミ男→野獣
徐々に変化します。