短編
イケメン版「美女と野獣」
*4*
「この娘を、捕虜にする。」
「なぜですか…?」
ロウソクが、テギョンに聞きます。
「また、この娘が、町に出て、色々とこの城について、話されたら困る。西の塔の奥の部屋に、閉じこめておく。絶対、部屋の外から出すなよ!!」
「…はい」
テギョンは、ミニョを、西の塔の奥の部屋まで運びます。
そこは、ベッドと暖炉以外、何も家財道具がない、殺風景な部屋でした。
テギョンは、ミニョをベッドに下ろすと、また、自分の部屋に戻っていきます。
ロウソクは、暖炉に火を付け、部屋を暖めます。
「この娘さんが…王子の恋の相手になればいいのに…」
ロウソクは、眠るミニョの寝顔を見つめます。
ロウソクが、部屋を出たあと、ミニョが、目を覚まします。
「ここは、どこ…?」
ミニョが、身体を起こし、辺りを見回します。
ベッドから抜け出すと、部屋のドアを開け、廊下に出ます。
城内は、シーンと静まっています。
「誰か、誰か、いませんか!!」
ミニョの声にロウソクが反応します。
「こんばんは、お嬢さん」
ミニョは、辺りを見回しますが、人の姿が見えません。
「ここですよ」
自分の足下から、声が聞こえ、ミニョは、その場に、しゃがみます。
「こんばんは、お嬢さん」
「きゃっ!!ロウソクが喋ってる…」
「驚かして、すみませんね。ちょっと事情があり、こんな格好になってるんです。」
「そうですか…それは、失礼しました。こんばんは、ロウソクさん。私の名前は、ミニョと申します。」
「私の名は、マ・フニと申します。この城で、執事をしてます。ところで、ミニョ様、お腹が空きませんか…?」
「そう言われてみれば…」
ミニョは、森を歩き回っていたため、とてもお腹を空かせていました。
「よろしければ、食堂にご案内しますよ」
「そうですか…ありがとうございます。」
マ執事が、ミニョを食堂へと案内します。
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ロウソク役は、マ室長です。
ミニョは、純粋で人を疑わない素直な性格なので、例え、人がロウソクになって喋っていても、ミニョは、受け入れてしまうのです。