短編
イケメン版「美女と野獣」
*3*
ミニョは、歩いているうちに、森で迷子になってしまいます。
ミニョの身体は、雨に濡れて、冷えきっていました。
"どこか…雨宿りが、出来る場所はないかしら…"
身体をガタガタ震わせながら、ミニョは、森を歩いていると、緑の蔦で覆われている城が見えてきました。
"ここなら、誰か、いるかも、しれない…"
ミニョは、大きな門を叩きます。
「誰か…誰か…開けて…ください…」
ミニョが、大声で城の者を呼びます。
呼んでも、なかなか出てきません。
ミニョは、何度も、何度も呼びますが、そのうち、その場に、力尽きるように倒れてしまいました。
ミニョが、門を叩く音とミニョの声は、城中にも聞こえていました。
ロウソクになってしまったひとりの召し使いが、ミニョのことが心配になり、城の外へと様子を見に行きます。
門の前で、倒れているミニョを発見したロウソクが、慌てて、テギョンの部屋へと行きます。
「ご主人様、城の門の前で、娘が倒れています!!早く、助けてあげなければ…」
テギョンは、魔女が去ってから、部屋の中に引き込もっていました。
魔女が残した一輪のバラをずっと見つめています。
一枚、花びらが散る度に、テギョンの身体に変化が起こっていました。
日に日に、醜い野獣の姿になっていく自分を、誰にも見せたくはなく、テギョンは、部屋から一歩も出ることがなかったのです。
「うるさい!!そのまま放っておけ!!」
「ですが…娘を放ってしまえば、命に関わります!!助けてあげてください。お願いします!!」
なんの反応も示さないテギョンに、ロウソクは、ため息をつき、肩を落としながら戻ろうとしたとき、テギョンが、少しだけ、部屋のドアを開けました。
「ご主人様…?」
「娘は、どこにいる…?」
「城門の前に…」
テギョンは、城門へと行くと、倒れているミニョを、抱き上げ、城の中へと連れていきました。
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