短編

イケメン版「美女と野獣」

*2*



町外れに小さな教会がありました。

そこには、優しいマリア様のようなシスターと、そこで見習いをしているシスターのミニョがいました。


ミニョは、幼い頃に、両親を亡くし、この教会に引き取られ、育ちました。


ミニョが、午後の祈りを、静かに捧げていると、教会の扉が、大きな音を立てて、開きます。


「お兄ちゃん、ここは神聖な場所よ…静かにして」


ミニョは、顔を上げずに、言います。


「さすが、わが妹だな」


「あんなことするのは、お兄ちゃんしかいないもの…」


ミニョが、静かに頭を上げると、後ろを振り向きます。

そこには、ミニョと瓜二つの男が立っていました。
彼の名は、ミナム。ミニョの双子の兄です。


「シスターは…?」


「気分が優れないみたいで、奥の部屋で、寝ているわ…」


「そっか…」


「私、シスターのお薬を貰いに、町に行かないと…」

「あぁ、わかった…気をつけて行っておいで。」


ミニョは、修道服から私服に着替えると、町へと出かけて行きます。


「ねぇ、そこのマドモアゼル…」


ミニョが、歩いていると、声を掛けられます。
ミニョが、その声に振り向くと、大きなバラの花束が目の前にありました。
ミニョは、驚いて、目をパチパチしています。


「やぁ、ミニョ。結婚のハナシ、考えてくれた…?」

青年が、花束から顔を出し、ミニョに声を掛けます。

「あぁ、シヌさん。ごめんなさい…」


「いや、いいんだ。キミがイエスと言ってくれるまで、僕は諦めないから…」


「それは、困ります。あなたは、とても素敵な方です。私みたいな者より、もっと、お似合いの方がいらっしゃるはずですよ…」


「そこらの娘さんたちより、僕は、謙虚なキミの方がスキなんだけど…」


ミニョが、困ったように、眉根を寄せ、口をすぼめます。


「あ、あの…、シスターが待っているので、今日は、この辺で、また…」


ミニョが、勢いよく頭を下げ、足早に歩いていきます。


そのうち、雨が降りだし、ミニョは、近道をするため、普段は、あまり入ることのない森の中へと入っていきました。



☆★☆★

原作では、発明家の娘ですが、シスターに。

高慢で意地悪な狩人がいるのですが、ミナムとシヌヒョンに…。一応、性格は、ミナムが引き継いでます。

シヌヒョンは、プロポーズを会う度にして、ミニョを困らす、ウザいタイプです。