短編

イケメン版「雪の女王」

*3*



ミナムが目を覚ますと、身動きが出来なくなっていました。


「なんだ、ここは…?」


ミナムは、手足を縛られ、鉄格子の柵の中にいました。


「目が覚めたか…?」


「お前は、誰だ…?」


「オレは、山賊のジェルミだ。馬車、お前の荷物、所持金はすべて頂いた。お前は、ここで"さよなら"だ」


ジェルミの指示で、ミナムが山賊たちに、連れられ、磔にされてしまいます。


「明日の夜、儀式を執り行う!!!」


ミナムは、どうすることも出来なく、ただ途方に暮れていました。


"ミニョ…ごめん…助けられないかも…"


山賊の誰もがいなくなったとき、ひとりの娘がやってきます。片手に短剣を携えて…。


娘は、ミナムの手足を縛っていた縄を外しはじめます。

ミナムの縄が外れ、ミナムが地面に落ちます。


「ありがとう…」


ミナムが言います。


「あなたの妹は、北の山奥にいるわ…」


「なぜ、それを…?」


「私は、鳥たちの声を聞いただけ…」


「鳥の声…?」


「えぇ…。あなたの荷物は取り返した…外にトナカイとそりを用意したから。さぁ、夜が明ける前に行って…」


「キミの名前は…?」


「ヘイよ…」


「そっか、ヘイ。ありがとう。オレの名前は…」


「ミナムでしょ…?気をつけて、ミナム。さようなら…」


ミナムは、トナカイのそりに乗り込み、北の山奥へ向かいました。



★☆★☆

いつもの悪役ふたりが、出番済みのため、初の悪役でジェルミが登板!!
でも、なんか違う気が…"しっくり"こない…(笑)
(ヾ(´・ω・`)

ジェルミには、たぶん、悪役は似合わないみたい…良かったね、ジェルミ♪


なお、山賊の娘に助けられるのは、原作どおりです。