短編
イケメン版「ピーターパン」
*4*
ミナムは、また海賊船へと向かいます。
「おい、海賊!!!ミニョを返せぇぇ!!!」
甲板へと出てくるテギョンとその子分たち。
そして、手を縛られて、捕まってしまっているミニョ。
子分が、戦闘体制に入るのを、手で制するテギョン。
「こんな子供、俺様ひとりで十分だ」
テギョンが、腰から剣を引き抜きます。
「ちょっと待てよ!!話が違うだろ…?お前の財宝返すから、ミニョを返せよ!!」
「そうもいかん。お前は、勝手に俺様の船に侵入した挙げ句、俺様の宝まで奪いあがった。ただで返すわけにもいかんだろ…?」
テギョンが、ニヤリと片方の口の端をあげます。
「戦うのキライなんだよなぁ…」
ミナムが、溜め息をつきながら、短剣を構えます。
テギョンの素早い剣さばきに、ミナムが、船の端まで、追いやられます。
「ここまで…だな」
テギョンが、剣を振り払います。
「おっと!!危ない、危ない…」
テギョンの攻撃を逃れた、ミナムが、ふわりと宙に浮かびます。
「何故、空が飛べる…?」
テギョンが、ミナムの姿を茫然と見ています。
「それは、カンタン。妖精の粉を振れば、誰だって飛べるさ」
「妖精…!?妖精って、コイツのことか…?」
テギョンが、瓶に入っているヘイを指します。
「あ…!!!ヘイ!!!探したぞぉぉ…」
ミナムの心配をよそに、ヘイは、膨れっ面で、プンと横を向いています。
「また、怒ってるのかよ…なぁ、ヘイ、この海賊さんたちに、妖精の粉をかけてやってくれよ」
ヘイが、プリプリ怒りながら、海賊たちに、粉をかけます。
「さぁ、飛ぶぞ…ハナ、トゥル、セッ!!」
"バッチャーン"
大きな水飛沫をあげながら、海へと落ちていく海賊たち。
「あっ!忘れてた!!オトナは空を飛べないんだっけ…」
クスクス笑いだすミナム
ミナムは、ミニョの紐を解き、空へと飛んでいきます。
「じゃあ、ミニョは返してもらったよ!!宝も返してやるよ」
ミナムは、空から財宝を投げます。
海の底へと沈んでいく財宝。
「探せ!!ひとつ残らず見つけ出すんだぁ!!!」
テギョンの罵声が響き渡ります。
「ミニョ、お前はどうする…?隠れ家に帰る…?それとも、元の場所に帰る…?」
「私は…元の場所に帰ります」
「そっか、じゃあ、送っていく」
ミニョは、元の場所へ帰っていきました。
その頃、テギョンたち海賊は、やっとのことで、海に沈んだ財宝を拾い、また、新たな世界へと向かいました。
「今度こそ、カリブの海へ」
"ヨーホー、ヨーホー、俺たち海賊"
ミナムは、また人魚の入り江に…。
ヘイがまた怒ることが目に見えているのに、懲りないようです。
ネバーランドは、今日も平和です。
★おしまい★
★☆★☆
「なぁ、ヘイ、怒るなよ」
ミニスカートから見える長い脚を、惜しみなく出しながら歩いているヘイ。
膨れっ面で、両腕を組みながらスタスタと平謝りのミナムを置いて歩いてます。
「なぁ、ヘイ…パスタ食べに行こ♪おごるからさぁ…」
「デザートも付けて」
「もちろん!!愛してるよ、ヘイ♪」
「もう、調子いいんだから」
ミナムが、ヘイの手をギュッと握りながら、歩きます。
ヘイが、はにかみながら、ミナムを見つめています。
このカップルも、それなりに幸せそうです。
☆★☆★
おふざけ度満点で送りました、「ピーターパン」いかがでしたかぁ??
女たらしのおふざけミナムに、ヤキモチやきのヘイを、そのままオハナシにしてみました。
楽しんでくれたら、嬉しいです。( 〃▽〃)