短編

イケメン版「マーメイド」

*5*



ミニョは、王室に忍び込むと、アン王のヤリを持ち出します。


テギョンの住み処に向かい、テギョンに、ヤリを渡します。

「フン、これから、俺様が、海の王だ…。」


「もう一度、私の願いを叶えてくれますか…?」


「願い…?それは、なんのことだ…?」

テギョンは、ミニョの話に聞く耳をもたず、ミニョは泣きながら、テギョンの住み処を後にします。

海の上に行き、ミニョは、海辺にいる、シヌ王子に向かって、歌いはじめます。

その美声は、シヌ王子の心に届き、正気に戻させます。

シヌは、ミニョの人魚の姿を見て驚きます。

「キミは、人魚だったのかい…?」

頷くミニョ。

「人間の姿になり、貴方に会いたいと…貴方に伝えたいことが…」


「ミニョ、大変だぁ…!!王様が捕まった!!」

ジェルミが、ミニョを見つけ、声をかけます。


「待って、すぐに行くわ…」

「あの嵐の夜、貴方を助けたのは、私です。」


ミニョは、シヌ王子に、それだけ言うと、海の中に潜っていきました。


テギョンに捕まってしまったアン王。

「パパ、ごめんなさい。ヤリを盗んだのは、私です」

ミニョが頭を下げて、謝ります。


「テギョン様、どうか、パパを放して…その代わり、なんでも言うこと聞きますから…」

泣きながら、テギョンに懇願するミニョ

「お前の声が、一生出なくなるぞ…。それでもいいのか…?」


テギョンがミニョに向かって、ヤリを振り上げます。

そのとき、シヌ王子がやって来て、テギョンのヤリの動きを止めていました。


「ふん、こざかしい人間め」

テギョンがシヌ王子を振り払おうとしますが、シヌ王子が、力ずくでヤリを奪うと、テギョンの心臓に、ヤリを突き刺します。

テギョンが呻き声をあげながら、泡となり消えていきました。


ミニョが急いで、シヌ王子を陸にあげます。

「キミが…僕を…助けてくれたように…僕も…君を…助けたかったんだ…」


苦しそうに、大きく肩で息をするシヌ王子。


アン王は、シヌ王子の勇敢さに感心し、ミニョを魔法で、人間の姿に変えました。

「ミニョ、シヌ王子とハッピーになりなさい」


シヌ王子とミニョは、陸で、いつまでも幸せに暮らしました。


★おわり★


☆★☆★


こちらは、ハッピーエンドで。

ふたつのハナシを、同時進行は、さすがに、疲れましたぁ…。(´Д`)