短編
イケメン版「人魚姫」
*4*
「あの嵐の日、オレを助けてくれたのは、一体、誰だったのだろ…?オレを介抱してくれた女か…」
テギョン王子は、ひとり、海辺を散歩していました。
ミニョは、毎日、部屋の窓からテギョン王子を見つめるだけです。
"歩くたびに、ズキズキ痛む足…。声を失い、話すことも出来ない…。貴方に伝えたいコトバがたくさんあるのに…。"
テギョン王子は、たまにミニョの様子見に、この部屋を訪れるのですが、会話が続くことはなかったのです。
ある日、ミニョが、また海辺を散歩するテギョンを見つけます。
そこに、偶然、テギョンを介抱していた女性が、海辺を通りかかります。
テギョンが、女性に気付き、声を掛けます。
親しそうに会話をするふたりの姿を、ミニョは、ただ、見ていることしか出来ませんでした。
ズキズキ痛む胸をギュッと手で抑えます。
そのうち、瞳から涙が溢れて、視界がぼやけ、ふたりの姿を見ることが出来ませんでした。
テギョンは、その女性を、命の恩人と勘違いをし、その女性と結婚を決めます。
テギョンは、ミニョにそのことを伝えます。
「ユ・ヘイという名前の女性と結婚することになった。お前にも、結婚式に出席してほしい…」
ミニョは、涙がこぼれ落ちないよう、ゆっくり、微笑みながら、頷きます。
"こんな人間の身体じゃ、何にも出来ないわ…ずっと、遠くから、貴方を見てることしか出来ないなんて…それに、貴方が結婚するなんて…いっそのこと、元の姿に戻りたい…"
テギョンが部屋を出たあと、ミニョは、人間になったことを、ひどく後悔していました。
★☆★☆
もう、ミニョが可哀想…
・゜・(つД`)・゜・
もう書いていて、ツライったら、なんの…(。´Д⊂)