短編

イケメン版「マーメイド」

*3*



シヌ王子によって、助けられたミニョは、シヌ王子の城へと連れて行かれました。


シヌ王子が見守る中、ミニョが目を覚まします。


「大丈夫か…?」

優しいシヌ王子の声。
ミニョは、声を出そうと思っても、声を失っているため、声を出すことが出来ず、ただ、コクンと頷きました。


「名前は…?」

ミニョは、ただシヌ王子を見つめ、悲しそうに首を振ります。

何度か声を出そうと思っても声が出ないミニョの肩を、シヌ王子が、優しく撫でます。


「無理しなくていい。今は、ゆっくり休むといい。」

ミニョが、嬉しそうにコクンとまた頷きます。
シヌ王子は、ミニョの頭を優しく撫でます。


ミニョの回復を待って、ある日、シヌ王子が、ミニョを海辺の散歩に誘います。

うまく歩けないミニョを、支えながら、シヌ王子はミニョとゆっくりと歩きます。


「実は、先日、この海で船が難破したことがあったんだ。溺れかけた僕を助けてくれたのは、一体、誰だったんだろ…?綺麗な歌声の持ち主だったんだ…。まさか、人魚だったりして…」

ミニョが、ニコニコしながら、そのハナシを聞いていましたが、もどかしさも感じていました。


"貴方を助けたのは、私です"


ミニョには、その一言すら言葉に出来ず、ただ、シヌ王子のハナシに耳を傾けることしかできませんでした。



☆★☆★

シヌ王子は、優しく、プリンスらしく…。

テギョンさんは、プリンスより"皇帝"ですからね…。

優しい笑顔より、フンって澄ましてるカンジですから…。