短編

イケメン版「人魚姫」

*3*



ミニョは、テギョン王子の兵士によって、城へと担ぎこまれました。

ミニョが目を覚ますと、起き上がり、辺りを見回します。


「目が覚めたか…」

テギョン王子が、ミニョの部屋に入ってきます。


ミニョは、声を失っているため、声を出そうと思っても、声が出ず、淋しそうに頷きます。


「お前、名前は…?」


テギョン王子が、ミニョに聞きますが、ミニョは首を横に振ります。

テギョン王子が、何を聞いても、頷くか、首を振ることしかしないミニョに、嫌気がさしていきます。
そして、あることに気付きます。


「まさか、お前、喋れないのか…?」

ミニョが頷きます。

「そうか、それなら、仕方がないな…。まだ、体調が良くないのだろ…?ゆっくり休んでくれ」


テギョン王子が、部屋を出ていきます。


"また、やっと会えたのに、伝えたい言葉もあるのに…どうして…どうして…"

ミニョは、思い通りにいかないことに、ひとり、むせび泣くことしか出来ませんでした。



朝、ミニョが部屋の窓を覗くと、海辺を散歩するテギョン王子の姿がありました。

"一緒に、海辺を歩きたい…"

ミニョは、ベッドから降り、足を床に着けると、足にズキズキと酷い痛みを感じます。歩くたびに、その痛さは増していき、とうとう座り込んでしまいます。

話も出来ず、歩くことすらままならず、どうしようもない辛さがミニョを襲っていました。



★☆★☆

残念ながら、テギョン王子の性格は、テギョンさんのまま。

テギョン王子版を書いてると、ミニョがミナムだったときのツラい片思いを思い出します。

相手役もヘイだし、ミニョが、可哀想なんですけど…ね。
・゜・(つД`)・゜・