短編

イケメン版「人魚姫」

*2*



ミニョが、訪れた先は、海の魔女ファランが住む家でした。


ミニョはファランに事情を話します。

「ファラン様、私は、ある人間の方に恋をしてしまいました。もう一度、あの方に、会いたいのです。会えるためなら、なんでもします。どうか、お助けを…」

ファランは、ミニョに、ある薬を渡します。


「貴女に、これをあげるわ。ただし、貴女の声が欲しいの…」

「…はい」

「その薬は、貴女の声が出なくなるかわりに、尻尾を人間の足に変えるのよ。でも、その薬は、とても危険な薬なの。人間の足だと、歩くたびに、ナイフでえぐられるような痛さを感じるわ…」

「そして、もうひとつ。もし、王子が他の娘と結婚することになれば、貴女は、海の泡になってしまうのよ…それでも、いいの…?」

ミニョは、決心したように、大きく頷きます。

もう一度、テギョン王子に会うため…。

ミニョは、薬を飲み干します。


すると、ミニョの尻尾が、人間の足に変わっていきます。
ミニョが、声を失い、海で息をすることが出来なくなります。
苦しそうにもがくミニョを、ファランは、海の上まで連れていきました。


「あとは、誰か、人間に見つけてもらいなさい。」


ファランは、気を失ったミニョにそう言うと、また海底へと消えていきました。

溺れているミニョを助けたのは、運良く、そこを通りかかった、テギョン王子の城の兵士でした。



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