短編
「シンデレラ」
*3*
ミニョを乗せた馬車は、お城へと、無事、たどり着きます。
ミニョは、馬車から降りると、お城の入り口から続く階段を上り、大広間へと入っていきます。
そこは、きらびやかな世界が広がっていました。
優雅に踊る人々。
ミニョは、キラキラと瞳を輝かせながら、周りの光景を見渡しています。
玉座には、王子様の姿がありました。
シヌ王子です。
シヌ王子の前では、娘たちが列をつくり、シヌ王子にアピールをしています。
その中には、継母たちの姿もあります。
ニコニコ笑顔を浮かべ、アピールをするワンとヘイ。
テギョ子も、必死に笑顔をつくり、アピール中です。
そして、ミニョの番になり、シヌ王子の前に立ったとき、シヌ王子の瞳の色が変わります。
ミニョは、緊張で顔を真っ赤にしながら、自分の名前を告げ、ドレスの裾を持ち、頭を下げます。
「一緒に踊りませんか?」
シヌ王子が微笑みながら、ミニョに手を差し伸べます。
ミニョは、顔を真っ赤にしながら、「ハイ」とうなずき、手をそっと握ります。
シヌ王子が、ミニョの手を引き、躍りの輪の中へと入っていきます。
踊り出すふたり。
踊りが上手くないミニョを、シヌ王子が、優しくミニョをリードしていきます。
顔を真っ赤にしながらも、微笑むミニョ。
周囲は、そんな美しいふたりの姿に、見とれています。
ただ一部、継母たちを除いて…。
「何か、気に入らないね…あの娘…。」
ミジャとワンとヘイは、睨むように、ミニョを見つめています。
テギョ子に至っては、口を尖らせ、眉間に皺を寄せて、"ふたり"を見ています。
音楽が終わりを告げる頃、夜の12時を知らす鐘が、鳴り響きます。
"あっ、12時の鐘だわ"
ミニョが慌てて、シヌ王子の手から、自分の手を離し、その場から去っていきます。
「あっ…待ってくれ」
シヌ王子が、ミニョの後を追いかけます。
「キャッ!!」
ミニョは、階段で躓き、片方の"ガラスの靴"を置いて去っていきます。
シヌは、ミニョが置いていった"ガラスの靴"を拾い、ミニョが出ていった、お城の入り口を、じっと見つめていました。
☆…★…☆…★
シヌ王子より、目立ってしまうテギョ子さんの存在感って……。 どーんだけぇー!!?!!
( ; ゜Д゜)
しかも…
シヌ王子、セリフ少なし…。 (゜□゜;
次回、最終話です。