イケメン版

「ロミオ&ジュリエット」

*第二十三話*

「夜明けまで…」

その頃、テギョンは、マ神父の教会の庵に匿われていました。

「あぁ、なんてことだ……」

マ神父が、頭を抱えながら、部屋の中を右往左往しています。

「神父様、落ち着くのです」

突如、部屋に現れたのは、教会に勤めるシスターでした。

「テギョン様、貴方は、濡れた身体を拭いて、それから傷の手当てを…」

椅子に座ったまま、微かに震えるテギョンに、シスターが優しく声を掛けます。

テギョンは、何も話そうとしません。
シスターは、テギョンの身体を優しく拭くと、傷の手当てをはじめます。

ドンドン…ドアを叩く音が聞こえます。

「神父様、お客様です。丁重にもてなすように…」


シスターがそう言うと、マ神父が、慌てて、ドアに向かいます。

「貴方は、此処にいてくださいね。大丈夫ですから」

シスターがテギョンに、着替えのシャツを手渡します。

「テギョン様!!」

現れたのは、ワンでした。

「ミニョは?ミニョはどうしてる?」

それまで、何も口を開かなかったテギョンが、ワンに話を聞きます。

「ミニョ様は、部屋から一歩も出ず、ただ、泣き崩れております。貴方様のお名前を、ずっと呼びながら…。」

「テギョン様、貴方は、ミニョ様の元へ。悲しみに暮れるミニョ様を、慰めて差し上げなさい…」

シスターが、テギョンに声を掛けます。

「テギョン、警備兵が、街に立つ、夜が明ける前に、この国から、逃げるんだ!!!」

マ神父が、テギョンを外へと送り出します。

「どうか、ご無事で…」

シスターが、胸の前で十字を切り、祈りました。


☆…★…☆…★

マ神父が、とても頼りがないため、助っ人の登場。

シスターは、ドラマの「院長先生」に特別出演していただきました。