イケメン版

「ロミオ&ジュリエット」

*第十三話*

「約束」

テギョンは、耳元から顔を離し、またミニョを見つめます。

「敵同士と言っても、名前だけだ…。オレは、お前が、オレのそばにいてくれるのならば、その名前を捨てても構わない…」

「私も、貴方様のおそばに置いていただけるのなら、この名前を捨ててしまっても構いません…」

テギョンが、腕の力をこめ、ミニョを抱き締めます。

「テギョン様、そろそろ、此処から、お逃げになってください。」

「何故だ?お前は、オレから離れたいのか?」

テギョンが、ミニョを抱き締めながら、意地悪そうに口の端を上げます。

「いえ、そうではございません…。でも、貴方様の身分柄を考えれば、此処は危険です。もし、家の者に見つかれば、貴方様の命が危ないのですから…。」

「そうか、それなら、致し方ない」

テギョンが、ミニョから身体を離します。

「また、御逢いできますか?」

ミニョの顔が、寂しそうに俯きます。
テギョンが、ミニョの顎に手を添え、自分の方へと向かせます。

「あぁ、必ずや、また、お前に逢いに…」

テギョンがミニョに、美しい笑みを浮かべます。
その笑顔を見て、また、頬を染めるミニョにテギョンは、クスッと笑いながらも、また、顔を近づけ、ミニョの唇に、軽く口づけをしました。

テギョンは、立ち上がると、クスクス笑う口元を隠し、惚けたままのミニョをその場に残し、去って行きます。

ミニョは、しばらくの間、テギョンが立ち去ったことにも気づかずにいました。
ハッと、我にかえるミニョ。
瞼を忙しなくパチパチさせ、手を胸に添えています。

"先程のことは、私の都合の良い夢だったの?"

"でも、今でも、この身体が…この唇が…テギョン様の温もりを鮮明に覚えてる"

"きっと、これは夢ではないのね…"

ミニョは、緩む口元を抑えられずにいました。


☆…★…☆…★

原作では、すぐに結婚の約束するんですが…テギョンは、次に逢う約束をして、去って行きます。

次回は、まだ出てきてないあのヒトが登場予定…。
それでは、また次回。