Beautiful Day

4


「お兄ちゃん」

「何、ミニョ?」

ミニョがミナムと向き合うと、ミナムの両手をギュッと 握った。

「お兄ちゃん…ありがとう。どんなに感謝してもしきれないくらい…。一緒にこの世に生まれてきてくれて、ずっと、私のそばにいてくれて…。お父さんやお母さんがいなくても、お兄ちゃんがいてくれたから、全然、淋しくなかった。本当に、ありがとう…お兄ちゃん、大好きよ」

ミニョが涙ながら、ミナムに感謝のコトバを伝える。

「オレも、ミニョが大好きだよ。お前は、これからも、ずっと、ずっと、オレの妹なんだから…。これからも、オレに頼ってこい。もし、テギョンに泣かされたら、オレが、アイツを、メッタメッタにしてやるから。だから、これからも、オレがお前を守ってやるから、安心しろ」

ミナムがミニョに向かって、ニッコリ笑うと、ミニョをギュッと抱き締めた。

「幸せになれよ」

ミナムがポツリと呟くと、ミニョが頷いた。

部屋の外で、耳を傾けていた、テギョン、シヌ、ジェルミとマ室長。

ジェルミとマ室長は、抱き合って、ワァーワァー泣いている。

「なんて、美しい兄妹愛なんだぁ…」

マ室長の言葉にウンウン頷くジェルミ。

テギョンは、壁に背中を付き、腕を組んで、

"フン、誰が、ミニョを泣かすものか…ミナムごときに、オレがやられるわけないだろ"

不機嫌そうに、口をムニュムニュ動かしてる。

「あんたら、ココで何してんの?」

ワンが、部屋のドアの前で、団子のように固まってる男たちに声を掛ける。

「テギョン、あなた、主役なんでしょ?そんなトコで突っ立ってないで、さっさと準備して」

テギョンの背中をバンバンと手加減なしに叩くワン。

テギョン、痛さに顔をしかめつつ、歩いていく。

「で、あんたたちは、何、泣いてるの?早く、準備してちょうだい!」

抱き合って泣くふたりを呆れ顔で見てるワン

シヌが溜め息をつきながら、ジェルミとマ室長を連れていく。

そして、男たちを見送ってから、部屋の中へ入っていく。

「あぁ、もう、メイクが崩れてるじゃない」

ワンが、グスグス泣いてるミニョを見るなり、メイクを手早く直しはじめる。

もう一度、ミニョの姿を確認し、ワンが、最後の仕上げに、ブーケをミニョに持たせた。

「さぁ、今日イチバン、ステキな花嫁の完成よ!行くわよ、ふたりとも」

ワンがニッコリと笑い、兄妹に声を掛ける。

ミナムがミニョの手を取り、自分の腕に絡ませる。ふたりが微笑み合い、ワンが、部屋のドアを開けた。