私は令和4年3月議会において、共生型福祉施設整備についての一般質問をさせていただきましたが、あれから一年半が経過し、その間には共生型福祉施設の事業者の公募、事業予定者の決定をはじめ、共生型福祉施設エリアへの進入路としての市道整備などが進められてまいりました。また、先行して整備される新竹寿苑である「健幸スポット」建設予定地には、工事用フェンスも設置され、いよいよ建設工事が着手される段階へとなってきたところであります。この共生型福祉施設は、本市における高齢・障がい・子どもに係る諸課題のほか、年々、複雑化・多様化する福祉ニーズへ対応するとともに、隣接する京都府立向日ヶ丘支援学校との「教育と福祉の連携」を密にした複合的な施設として地域共生社会の実現に向けた拠点となるものと期待しております。地元議員として、また高齢者や障がい福祉の推進に携わってきたものとして共生型福祉施設構想の内容が、日々、具体化していく状況を拝見し、大変うれしく思っており、早期の完成を望んでいるところです。


 そこで何点かお伺いします
令和4年8月に実施されました共生型福祉施設の事業者選定に係るプレゼンテーション等においては、市が求めている必須事業に加え、事業者からは複数の事業や取り組みの提案がなされたと伺っております。事業予定者の決定後は、事業者・市・京都府の担当者間において提案された事業や取組の内容についての検討などが進められているものと存じます。事業者からの提案内容がすべて実施されることを望みますが、国庫補助金の採択や近年の物価や建築資材の高騰などの課題もあるため、より具体化かつ実現に向けた事業内容の精査も必要ではないかと考えております。
 

(質問1)現時点における共生型福祉施設で実施される事業や取組の概要についてお伺いします
 

(答弁)本市では、令和4年8月26日付で、共生型福祉施設の事業予定者[(代表法人)社会福祉法人向陵会、(構成員)特定非営利活動法人朔日の会]を決定し、これまで事業予定者や京都府とは、市が必須機能としていた5つの機能に加え独自事業として提案をいただいた障がい福祉サービス時g6陽や取組について、情報共有や課題等の検討、調整を重ねてまいりました。現在、実施事業と致しましては、事業者募集要項で定めていた必須事業は予定どおり令和8年度から実施されるとのことであります。また定員規模を求めていた事業については、①地域生活支援拠点機能としての共同生活援助(グループホーム)については市の求めていた定員10名に対して20名を、短期入所(ショートスティ)は定員2名に対して3名を、②児童発達支援センターとしての児童発達支援は定員10名に対して20名を、放課後等デイサービスは求めていた10名を、それぞれ整備されることとされております。

 また、③全世代交流型スペース、④向日ヶ丘支援学校との連携機能についても予定どおりであり、⑤診療所機能については、乙訓圏域での医療資源の有効活用や医療提供に係るニーズ等を踏まえた適切な体制整備が肝要であるため、医療提供体制整備の責務を担う京都府、及び事業予定者と引き続き調整等を進めて参ります。しかしながら議員ご案内のとおり、今般の建築資材等の高騰のほか、近年の国交付金(社会福祉施設等施設整備費補助金等)の採択が、国予算額に対し、多くの事業者からの申請がなされるなどの厳しい現状を踏まえ、安定的な施設運営の観点から、整備規模やスケジュールについて検討を重ねられ、独自事業として提案されていた生活介護(20名)、就労継続支援B型(20名)などについては、当初予定より少し遅れて整備されることになったとお伺いしているところです。

 

次に、事業者の公募要項などにおいて、共生型福祉施設の供用開始は令和8年4月を予定されていたかと存じますが、先に述べました近年の建築資材の高騰のほか、福祉人材が集まりにくい状況も懸念されるところであります
 

(質問2)共生型福祉施設整備に係る進捗状況と今後のスケジュールについてお伺いします。

 

現在、事業予定者においては、基本計画の策定に鋭意取り組んでおられ、令和6年2月頃からは基本設計に、(土地の賃貸借契約を予定している)同年9月頃からは実施設計に、それぞれ取組まれる予定であります。建設工事につきましては、国の施設整備補助金の内示後となる令和7年7月頃からの着手となる見込みであります。なお、これらの施設などに加え、今回、設置条例を提案している「健幸すぽっと」を総称して、これまで「共生型福祉施設」と呼んでまいりましたが、それぞれの事業内容が具体化してきたことから、それぞれの施設は具体的な個別名称で呼び、隣接する支援学校、インクルーシブ公園を含めた、このエリア全体を「共生型交流エリア」と称したいと考えております。その名に相応しくなるよう、より多くの方々が、つどい・ふれあい・つながりあえるような、親しみのある場となるよう努めてまいります。