新庁舎に関して質問をさせていただきます。



 さて、この新庁舎につきましては、来年の2月7日の第1期庁舎の供用開始まで、いよいよ半年を切ってまいりました。まさに、大詰めの段階に差し掛かり、建物は11月に概ね完成。今は、設備、備品面での調整が佳境に入り、引っ越しに向けての準備にとりかかっておられるものと察するところであります。


 ここに至るまで、通常業務に加え、新庁舎整備に向けて協議、作業を続けてこられました「庁舎検討部会」や「各作業部会」での献身的な取り組みに敬意を表するものであります。振り返りってみますと、平成29年1月の「まちづくりシンポジウム」を皮切りに、市民アンケートや様々な団体との意見交換、更には、計画策定時にはパブリックコメントにて意見を幅広く聴取する中で、基本構想、基本計画が策定され、その下での実施設計に基づき、現在工事が進められている訳ですが、そのような時期だからこそ、今一度、確認させていただきたい事項があります。

まず、

【質問1】新庁舎の基本方針の4つ目に、「誰もが利用しやすい庁舎」とされており、「年齢や性別を問わず、誰もが利用しやすい、ユニバーサルデザインを導入する。」、さらに、「窓口は、ゆとりあるスペースの確保、わかりにくさや不便さの解消をおこない、市民サービスの充実及び利便性、快適性の高い庁舎とする。」と定められていますが、完成を間近に控えて、この方針を具現化されたものは、どのようなものがあったのでしょうか。


【答弁総合政策部長】議員ご案内のとおり、一期庁舎は2月6日を供用開始予定としており、基本方針の一つに「誰もが利用しやすい庁舎」を掲げ、ユニバーサルデザインの導入や市民サービスの充実、利便性の向上を図った庁舎となるよう取り組みを進めております。ユニバーサルデザインという視点から具体的にいくつかの事例を申し上げると、まず多くの来庁者が見込まれる1~3階について主な廊下については、車いす同士でもすれ違いが容易なように幅2M以上のゆとりのある空間を確保しております。さらに、窓口カウンターにおきましては、車いす利用者のひざが入るよう足もとのスペースを確保した形状のものを設置いたします。横一列に並ぶ各窓口の間にはパーテーションを設け、プライバシーを確保するつくりとなっております。


また窓口には聞こえの支援や多言語対応として話している内容を文字化、翻訳化し、画面に表示する透明ディスプレイモニターを用意いたします。次にトイレでありますが、個室内や小便器に適宜手すりを設置することに加え、生後5か月~2歳半を対象とするベビーチェアのある個室を男子トイレ、女子トイレそれぞれに1つずつ整備するなど、トイレの機能向上に努めてまいります。また、全ての階に多機能トイレを配置し、オストメイト設備、折り畳みベットを各フロアに用意いたします。


これら各フロアの配置や部署名などの掲示案内いわゆるサイン表示に関しましても、ピクトサインや誰もが分かりやすいユニバーサル書体による表示を予定しております。

続きまして、利用しやすさという視点で申し上げますと子育て関連でありますが、3階にある子育て支援課の窓口カウンター横にキッズコーナーを設け、お子さんが見える位置で手続きや相談ができるようにいたします。また、3階は子育て支援課のほかに、健康づくり推進課、障がい福祉課、社会福祉課など健康福祉部の部署がり、各課が連携を取りやすいことに加え、通常の相談室や福祉なんでも相談室、子育てコンシェルジュ、ファミリーサポーターセンターも同じ3階に設置していることから、各課にまたがる相談内容を切れ目なく相談できる、という利用者の利便性向上につながるつくりとなっております。

 

【質問2】この基本方針を定めるにあたっては、各種団体からヒアリングされ、そこでいただいたご意見も参考にされていると思いますが、どのような団体からどのような意見を頂き、それをどのように実現されてこられたのかお聞かせください。


【答弁総合政策部長】各種団体からの意見とその具現化についてでありますが、意見交換の場を持たせていただいた関係団体としましては、庁舎周辺の自治会や商店街、身体障がい者団体連合会、産業文化会館運営委員会などがあり、ご意見としては「バリアフリーの導入はどのようなものか」といった質問を受けたほか、「エレベーターは2台必要」「分かりやすい案内表示を」といった意見や、さらには、「エネルギーの自立は重要」「災害時の運用の検討を」などの意見を頂戴しております。


これらの団体よりいただいた意見の具現化にあたっては、他自治体の先進事例の研究や設計事業者、施工業者との協議を重ねた上で対応をしてまいりました。一例を申し上げますと「聴覚障がいのある方に聞こえの支援を」というご意見に関しまして、一期庁舎の3階24人会議室において、ヒアリンググループ(磁気誘導ループ)を導入するにあたって、より広い範囲を対象にしてほしい、またメンテナンスも簡便にできるようにしてほしい、というご意見を受け、設置場所を当社想定していた床部分から天井部分に変更することとしました。また火災発生時に聴覚障がいのある方も安全に建物外へ避難できるよう配慮できないか、というご意見を受け、光の点滅により来庁者を誘導する装置も導入しております。


頂戴しましたすべてのご意見を取り入れられたわけではありませんが、ここまでたくさんの方に支えられて新庁舎の構想や計画を形にしてまいりました。そして一期庁舎につきましては、建物の完成が目前に迫ってきております。無事供用開始を迎え、市民の皆さまに快適に利用いただけるよう引き続き安全に工事を進めてまいりますので、ご理解ご協力賜りますようお願いいたします。以上答弁とさせていただきます。