【ゼロカーボンシティの実現について】

 

中小路市長は本年4月に、市政50周年を記念して2050年ゼロカーボンを宣言されました。

そして翌5月16日には、二酸化炭素の排出量が実質ゼロになるごみ収集の実現を目指して電力事業者やごみ収集事業者と新たに協定を結びました。 今回の協定では、はじめに電力事業者が太陽光パネルを市民の住宅に設置して排出される二酸化炭素を削減します。そして「排出量取引」を利用して削減が期待される二酸化炭素の価格をごみ収集事業者が購入し、燃えるごみの収集で排出される二酸化炭素を実質ゼロにする仕組みです。電力事業者の売上の一部や、ごみ収集事業者が支払った代金は市の基金として積み立てられ森林整備などの環境施策に使われるということです。


本市では、燃えるごみの収集で1年間に排出される二酸化炭素はおよそ60トンで、令和7年度までに市内のおよそ100世帯に太陽光パネルを設置して実質ゼロを目標としています。

このことはNHK京都ニュースでも取り上げられ、注目を集めたところでもあります。


また、長岡京市第3期環境基本計画においては、パリ協定をはじめとする近年の様々な環境問題に早期に対応するため、3期計画への移行を当初予定から1年間前倒しの上、令和4年4月からとされたことは、

「改正地球温暖化対策推進法」(改正温対法)が本年4月に施行され、今後本格的に起こっていく社会変化に対応してくことを市政運営のポイントとして示されたものと大いに評価するものであります。


今、地球は気候変動が進行していると言われています。
既にその影響は、世界各地で報告されており、海面上昇、大規模森林火災、記録的な高温や大洪水、干ばつなど、 人類をはじめ地球上に住む多くの生命にとって脅威となっています
。日本国内でも、豪雨が毎年のように観測史上の記録を塗り替え、各地で深刻な被害を出しています。


長岡京市は、かつて都が置かれ、悠久の歴史と文化、西山が育む水と緑に恵まれた自然と都市が調和したまちです。先人から受け継いできた、人々に安らぎと潤いを与える、この豊かな環境のまちを、未来世代の子どもに引き継ぐことを責務として「脱炭素社会の実現」は市の掲げるアジェンダとしてふさわしいものだと共感するものでもあります。そこで何点かお伺いします


【質問1】「2050年、二酸化炭素排出実質ゼロを宣言し、ゼロカーボンシティを目指す」ということは、市が行う取り組みとして具体的にどのような事柄を指すのでしょうか
市民の方からは、「何から手をつけてよいかわからない」「何を意識すればよいか」などの質問があります。今後は、家庭内だけでなく、様々な業種にも、温室効果ガスの低減対策をしてもらうように働き掛けていくことになると思いますが、まずは、市民の方に、身近にできる省エネルギー対策を、わかりやすく、具体的に知らせる必要があると考えます。市民の理解をどのように進めていかれるのかお伺いします。


【答弁市長】まず、2050年ゼロカーボンシティを目指すということが具体的にどのような事柄をさすのかとのお尋ねですが、2050年ゼロカーボンシティ使用料を減らすとともに再生可能エネルギーなどの非化石エネルギーの利用を拡大していくことが重要であると考えます。これまでの低炭素社会から脱炭素社会への転換は、地球規模での取り組みであり、そのため、国が掲げる2050年ゼロカーボンの実現には日本全体で企業、住民の地球温暖化への意識を高め、その行動を地域の実情に即した脱炭素型に変えていく必要があると思います。


そうした点から地方自治体に求められる役割は非常に大きいと考え、本市としても重点的に取り組まなければならない重要課題であると認識しております。まずは、公共としても率先垂範し、一事業所として再エネの導入や省エネの推進に努めるとともに、市民や事業所の皆さまにも地球温暖化対策の両輪である「省エネの推進」と「再エネの普及」に取り組んでいただくことが重要であると考えております。


市民の皆さまの省エネや再エネへの具体的な取り組みについてでありますが、第三期環境基本計画では4つの基本施策(柱)を掲げており、その中の「省エネの推進」では気候変動対策として節電、ペーパーレス化、グリーンカーテン、ZEH(ゼッチ)と呼ばれるエコ建築、公共交通や自転車利用、資源循環として食品ロス削減やマイプラレディ運動などのプラごみ削減、子ども会等による古紙回収、雨水利用、環境共生としての地産地消の推進、都市環境としての緑のサポーターによる緑化推進を挙げています。また、「再エネの普及」は、太陽光・蓄電池の同時設置を挙げています。


これらの一部の支援策として「COOL CHOICE実践補助金」をご用意しているところです。

また、市民の理解をどのように進めていくのかについてでありますが、議員ご案内のとおり、市民の方には身近にできる省エネルギー対策をわかりやすく具体的にお知らせすることが、市が取り組む温暖化対策の基本であると認識しております。


これまでから、家庭でできる省エネの取組を集めた「家庭の省エネ秘伝の書」などの各種啓発冊子の発行や、各種団体と連携し、「打ち水大作戦」や「環境フェア」など、体験を通して楽しく省エネを学んでいただく環境イベントなどを通じて啓発を進めてまいりました。令和4年度から始動した第三期環境基本計画では、環境活動を「見える化」し、市民から市民への啓発活動を充実させることにより環境問題の「自分ごと化」を促し、主体的に環境問題に取り組む担い手育成に努めてまいりたいと考えております。


また、今年度の環境フェアでは、脱炭素社会の未来像を市民と共有することを目的としたシンポジウムを予定しております。未来像が見えてくることでそれに向けた行動変容につながりやすくなるものと意図したものであります。


今後とも、市民や事業所の皆さまに具体的な取り組みを進めていただけるよう、広報の仕方などを工夫し、さらに取り組みをすすめてまいりたいと考えます。 

 

【質問2】本市における、各企業も業種によって、消費エネルギーの多い少ないはありますが、電気などのエネルギーは、各企業に欠かせないものであります。省エネルギー対策には、市内の企業の協力が欠かせないものと考えます。市内企業の省エネルギー対策をどのように働き掛けていくのか、お伺いします。


【答弁市長】市内企業への省エネルギー対策の働きかけについてでありますが、事業者が、省エネルギー対策を進めるためには、「環境への意識」が重要であり、そのために「きっかけ」として事業者ができることの明示や実施したことに対する支援などが有効であると考えます。


そのため、事業者が省エネルギー転換を企図する場合の補助金や支援金の新設・対象枠の拡充等を行っております。こういった事業を、市ホームページや広報紙での周知に加え、8月の商工会会報誌「ふれあい」に「COOL CHOICE実践補助金」「長岡京市小規模事業者等省エネ対策緊急支援金」及び府が実施する「原油価格・物価高騰等小規模事業緊急支援補助金」のチラシを同封し、900w超える事業者等に配布いたしました。


また、4つの商店街を通じ、同様のチラシを会員の方に配布いただいており、事業者からの省エネ対策についてのお問い合わせに繋がっているところであります。また、市内の事業者18社で構成される長岡京市経済協議会では、3月29日に京都府地球温暖化防止活動推進センターの木原浩貴副センター長を講師に招き、「環境への取組について今、事業者に求められていること」をテーマにご講演いただくなどの取組を実施いたしました。これまでから取り組んでまいりました事業所への省エネルギー対策の啓発及び支援を、今後、更に進めてまいります。


【質問3】省エネルギー対策と同様に、二酸化炭素を発生させずに電気を生み出す再生可能エネルギーを利用することが、温室効果ガスの低減には効果的だと考えますが、再生可能エネルギーの利用促進をどのように推進していくのか、お伺いします。


【答弁市長】次に、再生可能エネルギーの利用促進についてでありますが、「CO2ゼロで行こうごみ収集事業」のような、事業者が市民と共同で再エネの導入に取り組める為の仕組みづくりなども、重要な施策であると考え、こうした取り組みを周知し、再エネの利用促進に努めてまいります。いずれにいたしましても、ゼロカーボンシティ、脱炭素社会の実現には、これまでの常識からの転換が必要とされています。「省エネの推進」と「再エネの普及」利用促進をさらにすすめてまいりますので、ご理解を賜りますようよろしくお願いします。