【チームとしての学校の在り方について】

チーム学校とは、教員や外部人材が連携して学習指導の充実、いじめや貧困などの課題に向けて対応するという考え方です。社会や経済の変化に伴い、子どもや家庭、地域社会も変容し、生徒指導や特別支援教育等に係る課題が複雑化・多様化しており、学校や教員だけで課題を抱えて対応するのでは、十分に解決できない課題も増えています。


 学校現場では福祉との連携が一層必要性とされています。児童・生徒一人一人の抱えている問題をより早くキャッチし、共有する支援体制の構築をするためにも、福祉の専門性を生かしたスクールソーシャルワーカーのより効果的な活用が重要と思われます。



【質問1】現在のスクールソーシャルワーカーの派遣学校数と支援ケース数と現状をお伺いします。


【答弁教育長】まず、「スクールソーシャルワーカーの現在の派遣学級数」についてであります。今年度は、長岡中学校及び長岡第二中学校に1名ずつ配置し、この2校を拠点に、全小学校及び中学校に派遣しております。昨年度も同様の体制で、その「支援ケース数」は実数で、110件でありました。「現状」といたしましては、各校のケース会議に参加し、福祉制度や福祉機関との連携等について助言をしたり、教職員や保護者の相談に直接対応するなど、様々な形で支援を行なっております。


【質問2】2番目に、本市のスクールソーシャルワーカーの活動による効果はどのようにあらわれているのか。また今後、活動をより充実させるための方向性を伺います。


【答弁教育長】{スクールソーシャルワーカーの活動による効果}としては、各学校のケース会議や教育相談に積極的に参加することで、情報収集やアセスメント、教員への助言を行っております。スクールソーシャルワーカーが、困窮家庭の保護者から進路について相談を受け、経済的支援制度や関係機関等につなげたケースもあり、学校からも設置目的に沿った役割が果たせているといった声も聞いております。


 「今後、活動をより充実させるための方向性」については、議員ご案内のとおり、子どもを取り巻く環境が複雑化・多様化する中、学校だけでは解決が難しい課題も多く、学校と福祉との連携は欠かせないものとなっています。その要であるスクールソーシャルワーカーへの期待は大きく、活動を充実させるためには配置拡大が望まれるところであり、京都府に人材確保と配置拡充を引き続き要望してまいります。


【質問3】次に、就学前指導の現状と今後の課題についてですが、小学校に上がる前の子供たちの育ち方はさまざまで、義務教育をどのような環境の中で過ごしていくことがその子にとって適切であるかなど、大切な選択をするときでもあり、また、これからかかわっていく教育現場でのサポート体制を整えていくときでもあります。発達支援を必要とする就学前の幼児をどのように把握し、保護者との相談につなげているのか。令和3年度の現状も含めてお伺います。


【答弁教育長】「発達支援を必要とする就学前の幼児をどのように把握し、保護者との相談につなげているのか」については、本市が実施している定期検診や保護者からの療育機関への相談、保育所や幼稚園と連携することで、就学前児童の把握を行っております。


具体的には、支援が必要とされる子供について、どのような就学の支援や就学形態が望ましいかについて、教育支援員会で審議し、その子どもにとって最善だと思われる学級や手立てについて、保護者の意見を尊重しながら就学についての決定をしております。令和3年度は60人を超える子どもについて入学前に審議し、保護者との相談を行いました。


また、関係者の共通理解のため、「ながおかきょう“リンクブック”」を活用するなど、きめ細かな支援につなげているところであります。

 

今日の学校教育の現場では、多様な特性に応じた子供たちへの対応、さまざまな家庭環境に応じた保護者への対応、いじめや不登校、児童虐待など、複雑化・多様化する諸課題への対応が求められております。さらに地域との連携において、学校や教員の役割も大きく期待をされております。また、新学習指導要領の実施に伴い、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善や、小学校外国語教育の充実などに対応するための時間の確保も必要となってまいります。学校現場の現状は教員の長時間勤務に支えられているような現状では、学校教育の持続可能性は、ますます厳しい状況になるのではないでしょうか。(H30答弁より)


【質問4】世界一多忙とされる日本の教職員の負担を軽減し、質の高い教育を目指すために、「チーム学校」の推進が大切であると考えます。「チームとしての学校」は、チーム学校が求められる背景を、⑴新しい時代に求められる資質・能力を育む教育課程を実現するための体制整備、⑵複雑化・多様化した課題を解決するための体制整備、⑶子どもと向き合う時間の確保などのための体制整備としています。

人格的成長に繋げ、生きる力をはぐくむ日本型教育ですが、一方では複雑多様化する課題が教員に集中する事となり、授業など教育指導に専念しづらい状況になっているのではないか と考えますが。本市の現状はいかがでしょうかお伺いします


【答弁教育長】「複雑多様化する課題に対する教員の対応について、本市の現状はどうか」であります。議員ご指摘のとおり、児童生徒の抱えている課題が複雑・多様化し、教員の負担が増大する傾向にあります。このため、専門スタッフや外部人材の積極的な配置・活用などにより、教員が教育活動に専念できる環境整備や教育の質の向上に取り組んでいるところであります。


 例えば、現在、学校には授業を担当する教員だけではなく、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、図書館司書、外国語活動指導員、いじめ対策指導員、学力向上サポーター、また特別支援教育支援員、心の居場所サポーター、スクールサポートスタッフなどがおります。


さらに教師とは異なる知見を持つ専門家の出前教室、キャリア教育や部活動指導などの外部講師の招聘など、様々な分野で活躍する人材の活用しているところであります。

 

【質問5】文部科学省の提言する「次世代の学校」や「チーム学校」の実現を本市はどのように捉えまた取り組んでおられるのかお伺いします。


【答弁教育長】「『自世帯の学校』や『チーム学校』の実現をどのように捉え取り組んでいるのか」でありますが、本市としましては先ほど申し上げた多様な専門人材等と連携し、チームとして、複雑・多様化する課題に対応し、教師が子どもとしっかりと向き合い、教師本来の業務に専門性を発揮できる環境を整えていくことが必要だと考えております。


 また、チームとしての学校は、学校と地域はパートナーとして相互に連携・協働していくことが重要であると考えております。本市では今年度の4月から、市内の全小・中学校に学校運営協議会を設置しております。「社会に開かれた教育課程の実現」を目指し、学校と地域住民が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能となる仕組みであり、学校や子どもがどのような課題を抱えているのかといった実態や、地域でどのような子どもを育てていくのか、何を実現したいのかという目標やビジョンを共有します。学校運営に地域の方が参画することにより、共通の目標の実現に向けて、それぞれに担う役割を分担し、一体となって取り組むことが可能となります。こういった仕組みも活用しながら、「チームとしての学校」づくりをすすめてまいりたいと考えています。