5月24日㈫ 行政視察2日目は尾張旭市

 尾張旭市は、2004年に健康都市連合に加盟し、同年「健康都市宣言」を行った。翌年4月には、健康都市連合日本支部設立の発起人メンバーとなり、「尾張旭市健康都市プログラム」を策定。同プログラムでは、「寝たきりにさせないまちづくり」「外に出かけたくなるまちづくり」「住み続けたくなるまちづくり」の3つの施策の方針を定め、まち全体で「健康都市尾張旭市」を目指している

 
 

市民の健康リーダーが地域の健康推進に果たす役割は大きい。全国の自治体でそうした人々による運動や食育等の活動が盛んだ。一方で成果についての科学的考察が示されたことはあまりないと思われる。そうした中、同市健康づくり推進員会は2016年11月に「数値化検討委員会」を発足し活動を開始した。2017年、同市健康課や長寿課とともに中部学院大学並びに介護老人保健施設清風苑の研究者や理学療法士に協力を依頼。各筋トレグループへのアンケート調査を行うとともに、測定による効果を検証し、論文を発表した。

 また、アンケート調査も行っており、参加者は一般的な高齢者よりも日常生活能力や自信が高い人が多く、身体や精神面共に充実していることが明らかになった。運動継続の要因では「楽しい」「仲間がいる」とともに、「指導者がよい」「施設が近い」等、同市ならではの特徴が見られた。実際市内には、106の集会施設等があり、県内他市の5~6倍の利便性をもたらしている。

 

 
木島会長様をはじめ、同推進員会は現在、「らくらく筋トレ体操」に加え、さまざまな健康体操を取入れている。「筋トレだけだと飽きる」「脳トレも取り入れて欲しい」といった地域の要望に応えるためだ。「脳トレ」は間違ってもいい、間違ったことを認識すること。
 また、推進員の指導力に差があってはならないとの考えのもと養成サークルを立上げ、14種類もの体操を習得することとし、月に一度の定例会のプログラムとして実演・指導する等、新しい取組みにも挑戦している。誤嚥予防に役立つオリジナルの「ツバメ体操」や、市のイメージソング「MYCITY―ふるさと―」に合わせたオリジナル体操も披露していただいた。
「健康の維持・増進には、長く続けてもらうことが大事」そのためには、来ていただく方に差別があってはならない、どなたにも平等に声をかける。「皆でワイワイ楽しみながら」を心がけている。と木島会長はとても温かく頼りがいのあるリーダーです。
 
 同市のまちづくりの特色は、「市民との協働」だ。住民が主体的に地域コミュニティを形成し、様々な分野でボランティア等の取組を推進している。これは、SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に繋がるものであり、2018年にマレーシア・クチン市で開催された第8回健康都市連合国際大会において、WHOベスト・プラクティス賞を受賞した。