ただいま議題となっております 第20号議案 令和4年度長岡京市一般会計予算につきまして、平成自民クラブ、平成西山クラブの2会派を代表し、賛成の立場から、若干の意見、要望を申し上げます。

討論に先立ち、16日深夜に発生した宮城・福島の地震により、被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧をお祈りいたします。

 



さて、今議会に提案されました令和4年度予算は、総額340億円、5年連続で過去最大となり、前年度と比較すると27億円、率にして8.9%上回りました。国の補正予算を活用して前倒しした事業を含む令和3年度補正予算を合わせますと、346億円という規模です。

先の提案説明において、歳入については、今年度当初予算は市税収入が大きく落ち込むとの予測で編成されたものの、現在のところ極端な減少にはならないとの見通しであり、令和3年度と令和4年度の当初予算比では増額の見込としたとのご説明でした。市税収入は市民生活の経済指標でありますから、その意味において、大きな落ち込みが見られないことには幾分の安堵を感じております。当然のことながら、総体では増収であったとしても、感染症の影響により大変な思いで日々を過ごしている市民が少なくないことも事実です。その点に関しては、引続き、きめ細やかでスピード感のある施策と寄り添う姿勢を求めます。

 

さて、予算審議に先立ち行われました一般質問において、我が平成会派からは大きく5つの質問を致しました。まちづくりと防災、福祉、教育の各分野、更に市制施行50周年という節目の記念事業と、2期目最終年度を迎えられる市長の気概です。

まず、まちづくりにおいては、阪急連続立体交差の具体化と長岡天神駅周辺の再整備に向けた事業など、中心市街地の整備が少しずつ市民の目にも見える形で動き始めています。まだ事業の萌芽に過ぎない次年度ですが、債務負担行為を除き5億2千万円が関連事業費として計上されています。JR長岡京駅西口再開発を経験してきた我々は、これらが大変息の長い事業となることも、将来の市財政を占うような巨額のプロジェクトになることも承知しています。その上で、やはり本市の将来にとって必要な事業だとの確信をもって、事業の進捗を見守っています。

その他、防災・減災の取組として、防災重点農業用ため池の工事も始まりますし、神足雨水ポンプ場やいろは呑龍への接続工事なども進んでいます。一般質問でも(我が会派の議員が)取り上げた通り、本市が位置する地域は、古来、豊かな「水」を(かて)に栄えた一方で、「水」と闘ってきた歴史も持つ場所であります。住民に対し安全を供すること、危機において住民を守るインフラを整備することは、行政の最も重要な役割の一つですから、引続き、鋭意取り組まれることを要望します。

また、新たに大胆な公共交通施策も打ち出されました。本市にも例外なく押し寄せる高齢化の中で、市民の日常生活を支える足は、まちの活力を維持する上で大変重要なインフラです。はっぴぃバスの3ルート化や補助金の創設など利便性の向上と利用促進の両面から施策が組まれており、この間の地域公共交通会議での丁寧な議論が偲ばれ、事業の効果を大いに期待するものであります。

 

次に、福祉の分野では、いよいよ共生型福祉施設整備に向けて事業者の選定が行われ、その隣に建つ(仮称)介護予防センターも実施設計に入ります。どちらの施設も、多くの関係者の期待ゆえに、様々な調整を要したことと思いますが、「共生型」の名にふさわしい福祉の拠点として、基本理念が実現されるよう、選定事業者とも充分なコミュニケーションを図りながら、事業を進めるよう要望します。

 

教育環境の整備は、重点項目の1つに掲げられています。長岡第四小学校の再整備や長岡第九小学校の施設整備、更には長岡第三小学校の整備など、今後も大きな事業が続く予算となっています。子ども達や保護者の皆さん、またこれらの学校で働く皆さんにとっても楽しみなことと想像します。今、子ども達は様々な制約の中で学校生活を送っています。せめて、施設・設備などの面では少しでも快適な環境を整えてあげたいと、我々も思いますし、豊かな教育環境は、中小路市長が掲げる定住促進にも資する重要な要素として、積極的な投資を否定するものではありません。私は、この長岡京市から、明日の日本を、いや世界を支える人材が飛び立つものと信じる一人であります。しかし、一方で、先ほどのまちづくりの中で論じたプロジェクトと同様、後年度に負担を残す事業となることも事実です。現在だけでなく、未来の財政状況にも目を配り、豊かな教育環境と合わせて、健全な長岡京市を次世代に継承することも我々の使命です。相反することを申し上げるようではありますが、未来に向けて、今なすべきことは何か、今後とも大いに議論していきたいと考えます。

その他、学力向上の実践研究や学校運営協議会の設置についても質問いたしました。それぞれに、これまで本市教育委員会が積み重ねてこられたご努力と、地域の方に支えられている学校の様子がうかがえる内容で、新規事業の展開に期待を覚えております。

 

さて、来年度は市制施行50年という長岡京市の歴史において大きな節目を迎えます。「8万人と、つなぐバトン」をキャッチコピーに年間を通じて各種の取組が展開される予定ですが、特別記念事業の中に、「夢かなえたい人、この指とまれ」というプロジェクトがあります。本市ゆかりの人や企業が、市民の夢を応援するというものですが、我々議員も、この長岡京市で育まれ、いくつもの夢を叶えてきた大人です。そんな事を思うとき、「夢が叶う街」というキーワードに心温まるものを感じると同時に、先人の努力への限りない感謝を覚えます。そして、この長岡京市と長岡京市に住む人々に、次の50年も幸あれと願わずにはいられません。多くの人の記憶に残る、楽しい「夢」が叶い、人と人、人と街との絆が生まれ、「もっと長岡京市を好きになる」事業の成功を祈念します。

 

そして、市制施行50周年の年は、中小路市長の2期目最後の年でもあります。開会日にも、大変力強い所信を表明されましたし、一般質問や予算審査の総括質疑でも、繰返し次年度に懸ける想いをお聞きしました。ここで繰返すことは致しませんが、「過去」を受け継いで「今」があることへの感謝、「今」必要なことを、必要なタイミングで進めていく目配り、そして長岡京市の「未来」を信じ、ひるまずに種をまき、水をやり続ける熱い想いには、我が会派も強く賛同するものであります。

 

モノの見方を例えて、よく「虫の眼、鳥の眼」などと申します。足元の新型コロナウィルス感染症対策は、どうぞ虫の眼で、細部まで「目」と「心」を行き届かせたキメ細かい施策を徹底していただきたい、そして本市の新たな50年を象徴する新庁舎整備を含む中心市街地のプロジェクトをはじめ、共生型福祉施設の整備など、息の長い投資に対しては、時間軸と空間軸を大きく俯瞰する鳥の眼をもって、将来に誇れるまちを築いていただきたいと期待するところです。もちろん、我々は常に予断を持たずに議論に臨み、市民を代表する立場としてまちづくりに大いに貢献するつもりであることを確認しておきます。
 そして最後になりましたが、未だ収束の見えない新型コロナウィルス感染症の対応において、市長・副市長を先頭に職員の皆さんが一丸となり、大変なご努力を続けておられることに、心からの感謝を申し上げます。皆さんご自身の健康にもくれぐれも留意の上、引続き市民が安心して日常生活を送るために、この長岡京市を守り抜いていただくようお願いいたします。

以上、平成2会派を代表し、賛成討論といたします。