【白石たづ子】

 共生型福祉施設整備事業について、お伺いいたします。



 本市では、高齢・障がい・児童福祉などの諸課題をはじめ、これら福祉ニーズの増大に対応するとともに、老朽化した京都府立向日が丘支援学校の改築整備事業と合わせた「教育と福祉の連携」による福祉複合施設を整備するため、令和元年5月に「長岡京市共生型福祉施設構想・基本計画」を取りまとめられ、はや2年余りの歳月が経過しているところであります。


 この間、この基本計画にもとづき、市役所内部での協議はもとより、京都府との敷地譲渡や事業の連携や調整などの協議を進められ、また障がい福祉サービス事業者や関係機関、更には障がいをお持ちの方の保護者等との懇談も重ねられ、ご意見等をお聞きしながら「共生型福祉施設整備事業」を推進されてこられたものと推察しております。

 この「共生型福祉施設構想・基本計画」については、令和元年6月議会の文教厚生常任委員会で、その概要等に関してのご報告をいただきました。基本理念として「ふれあい・学びあい・育ちあう 地域に開かれた共生型福祉施設」とされており、障がいのある人とない人とのふれあい・交流を大切にしながら、様々な人が学びあい・育ちあい、誰もが訪れやすい、地域に開かれた環境を整えていくという方針のもと、このプロジェクトを積極的に推進されていることと存じております。

 わたくし自身も、高齢者や障がい福祉に対しましては、長く乙訓福祉施設事務組合の議員として関わらせていただくだけでなく、地域の方々からも多くのご相談やご要望なども受けており、この共生型福祉施設には大きな関心と期待を寄せているところでありますので、現在における共生型福祉施設整備事業について、何点かお伺いしたいと思います。

 まず1点目として、基本計画において、竹寿苑は公共施設として整備されることとなっておりますが、共生型福祉施設については、民間の社会福祉法人などによる整備・運営を基本とされています。そのため共生型福祉施設の整備にあたり、事業者を募集する必要がありますが、基本計画の策定後における関係機関などとの協議や調整を進めてこられる中で、基本施設などに求める施設や機能などに変更点等もあるのではないかと存じております。
 

【白石たづこ 質問 1 】

 

現時点における整備概要(ハード面・ソフト面)について
 

 そこで、当初の基本計画からの変更内容などもふまえ、現時点における整備概要(ハード面・ソフト面)について、お伺いいたします。

【市長 答弁1】

 

 民間法人の力を活用して整備・運営することを計画しております共生型福祉施設につきましては、議員ご紹介のとおり「長岡京市共生型福祉施設構想・基本計画(R元.5月)策定後、障がい福祉サービス事業所へのアンケート調査や、障がい児の保護者等との懇談会、京都府南部地域における発達障がい児の専門医療のあり方検討会のほか、近隣地域で実績のある社会福祉法人からのヒアリング内容などを踏まえ、施設整備の具体化に向けた作業を進めているところであります。


 これまで多くのご意見を頂戴し、基本計画で例示しておりました基本施設である「児童発達支援センター」と、「地域生活拠点機能」については地域に不足し、求められている施設であるため必須にするとともに、その他の付加機能についても本事業にそったものであるため、例示しながら事業者からの提案を求めることとし、当社計画からの変更はなく進めてまいりたいと存じております。
 

 特に「児童発達支援センター」では、障がい児や保護者への相談支援、施設に対する援助、助言を合わせて行うなど、地域の障がい児支援の中核機能を担うとともに、児童発達支援や放課後デイサービス、保育所等訪問支援等を想定しております。とりわけ乙訓圏域でも課題となっている発達に課題のある児童等に対する初期診断の待機を解消するための医師等の配置に関しては、今後事業者となる法人及び京都府と調整を行うこととしております。
 

 「地域生活支援拠点機能」では障がい児(者)の24時間の相談対応や、重度の心身障がいにも対応できるグループホーム、緊急時等にも対応するショートステイなどを、また「前世代交流型スペース」として多様な世代が集えるスペースやカフェ、小規模な売店など、障がい者の就労の場などを備えることも想定しております。また、「付加機能」については、キッズスペースやサロンなど乳幼児と保護者が憩える場の提供や、多様な課題を持つ人に対する就労や集いの場の提供、福祉の向上に寄与する機能など、事業者による積極的な提案を求めることとしております。

【白石たづこ 質問 2】

 

共生型福祉施設の事業者募集について
 

 次に2点目として、基本計画の中におきましては、竹寿苑を除く基本施設として地域生活支援拠点や児童発達支援センターを整備することとされており、これらは乙訓圏域で不足する障がい福祉サービスであるとともに、わたくしの身近な方々からも強い期待の声があり、是非とも早期かつ安定的な運営がされることを望むものであります。今後、共生型福祉施設の事業者を募集するにあたり、どのような視点をもって募集をされ、市として支援をされようとしているのか、お聞かせください。

【市長 答弁2】
 

 共生型福祉施設では、先に申し上げました基本施設を必須とし、付加機能については事業者提案として事業者の募集要項をまとめる予定としております。また地域に不足し、多くの障がいをお持ちの方から求められている施設であるため、事業者には安定した運営をしていただけるよう法人格を有する者を応募資格としたいと考えております。
 

 また、運営支援につきましては土地の貸付期間をできるだけ長期に設定するとともに、土地貸付についても一定期間無償貸付を予定するなど、本市としても積極的な支援を行なって参りたいと考えております。


【白石たづこ 質問 3】

 

事業の進捗状況・今後のスケジュールについて
 

 3点目として、共生型福祉施設整備事業は、まず先行して竹寿苑の整備をされ、その後に共生型福祉施設の整備を予定されております。これまでに事業敷地の一部購入や進入道路用地の買収なども行われ、また次年度予算案では竹寿苑の基本・実施設計業務委託料に係る債務負担行為の予算化もされており、着々と事業が進められているものと存じております。先行する竹寿苑を含め、共生型福祉施設整備事業の進捗状況と今後のスケジュールについて、お聞かせください。


【市長 答弁3】

 

 現在先行して整備をいたします竹寿苑の改築基本設計を鋭意策定中であり、施設レイアウト等の調整を進めているところです。その他の共生型福祉施設については、事業者ヒアリングを継続実施しながら事業者募集に向けて最終調整しているところであります。その他の共生型福祉施設については、事業者ヒアリングを継続実施しながら事業者募集に向けて最終調整しているところであります。


 また、竹寿苑の建設予定地となる府有地の先行取得分(2052.14㎡)については既に購入手続きを完了するほか、共生型福祉施設エリアへの進入路として整備する新設市道については、間もなく工事に着手するなど周辺整備についても鋭意整備を進めているところであります。

 

 今後のスケジュールとしましては、年内に竹寿苑は基本・実施設計を取りまとめ、令和5年3月ごろに建築事業者を決定、4月ごろから建築工事を開始し、令和6年6月に供用開始することを目指しています。また、その他の共生型福祉施設については、今年5月ごろより事業者募集の受付を開始し、8月下旬頃に事業者選定を行う予定にしております。以後、決定事業者による建築基本・実施設計の策定、埋蔵文化財調査を経て、令和7年1月頃より建築工事を開始し、令和8年4月の供用開始を目指してまいります。
 

 引き続き、共生型福祉施設整備の推進に努めてまいりますので、ご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。