令和3年9月議会において、白石たづ子が「第50号議案、令和2年度 長岡京市一般会計歳入歳出決算」について、平成市民クラブ、平成西山クラブ、平成自由クラブの3会派を代表し、賛成の立場で討論しました。下記にその内容を掲載いたします。ぜひご一読下さいませ。

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ただいま議題となっております、第50号議案、令和2年度 長岡京市一般会計歳入歳出決算につきまして、平成市民クラブ、平成西山クラブ、平成自由クラブの3会派を代表しまして、認定にあたり賛成の立場で討論いたします。

令和2年度は改めて申すまでもなく、年度当初から年度末までコロナウィルスの感染拡大への対応に追われた1年でした。その中で、11度にわたる補正を経て、当初281億円余りであった予算が、決算では歳入にして約410億円と大きく伸びました。これほどの補正は、我々の議員経験の中でも例を見ないものであり、議論を重ねながら、議会と行政が共にこの困難な状況と闘ってきたと自負するところであります。中でも、本市独自の取組である「新しい生活様式応援券」や休業要請協力事業者への支援、福祉事業者への補助など、市民生活を支える各種事業については高く評価しています。

 

一方で、長年にわたり広く地方公共団体と連携してきた誘致活動が実った大河ドラマ「麒麟がくる」につきましては、これを機に全国から観光客をお迎えしようと、多くの市民も楽しみにしていたことと想像しますが、感染の拡大を防ぐため人の動きを止めざるを得ず、期待通りの展開にならなかったことを大変残念に思っておりました。しかし、当初予定していた事業の多くが変更・中止となる中で、新たな道を模索してきたことは、今後感染症が収束した暁には、きっと花開くものと期待しております。


残念ながら、本日時点で、京都府における緊急事態宣言の延長が決定しています。中小路市長は、今はコロナウィルス感染症対策が最優先であると表明されていますが、その点は、我々も異論のないところです。市民の不安に寄り添い、事業者への的確な支援を以て市民生活の安定を図ること、また、ワクチン接種においては混乱なく、安全に、確実に進むよう努めていただき、市民生活を守り抜いていただくようお願いいたします。

それでは、令和2年度に期間が満了した第1期基本計画を評価しつつ、決算に対する意見・要望を申し述べます。
 

令和2年度の決算規模を見ますと、歳入総額は、前年と比べて、30.4%増の約410億円、歳出総額が28.1%増の390億円余りとなり、差し引き18億9千万円の黒字、実質収支では15億5千万円の黒字となりました。財政健全化法による4指標も、引き続き良好であり、健全な財政運営の結果だと評価するところであります。
 

はじめに、「まちづくり」の分野について、
この間、中心市街地の魅力向上のため、阪急長岡天神駅周辺整備に取り組んでこられました。今後、土地区画整理事業や連続立体交差事業などを展開していけば、これまで本市が経験したことのない事業規模となってまいります。京都府など関係機関と十分に連携し、次世代へのレガシーとする覚悟で進めていただくことを要望するものであります。


また、新庁舎については、現在着々と一期庁舎の基礎が築かれ、また周辺道路の整備に向けた準備なども進んでいる様子を見ています。そして、庁舎建設を機に「書かない・待たない・来なくてもよい市役所」を目指すとお聞きしました。短い時間の中で、調整が大変なことも多いでしょうが、市民の利便性が向上し、業務の効率化が進む新しい市役所を楽しみにしております。
 

次に、「子育て、教育」の分野であります。
保育所や学校など多くの子どもたちが過ごす場において、移り行く季節に応じた感染症対策には大変なご苦労が伴ったものと想像いたします。一年を通じて、子どもたちの成長や学びを止めないために最大限の努力をされたことに対して、まず敬意を表します。


令和2年度は長岡第四小学校の再整備に向けた取組と放課後児童クラブの民間委託化の表明、GIGAスクール構想など大きな事業もありました。子育ての分野に関しては市民アンケートでも満足度が高く、この5年間で多くの実績が上がったものと評価していますが、主要施策の成果等説明書を見ると、行政としても満足のいく取組が進んだと評価されているように見受けます。定住促進に向けて、「子育てのしやすさ」は大きな競争項目ですから、第2期基本計画においても着実に取り組まれることを期待します。


一方で、地域活動や市民活動などの分野では、

予定通りに事業が進められず、評価が低くなっていますが、他の分野に比べコロナウィルス感染症の影響が大きかったものと推察します。その中で、市民の活動を支えるために工夫を重ねたことや、オンライン事業など感染対策との両立を模索することで新たな参加者・協力者を得たことは成果と評価し得ると考えます。これを糧に第2期基本計画期間での展開に期待いたします。
 

また、自治振興条例や中小企業振興条例など、現在進行形の新たな取組は、

市民を巻き込み、それぞれが我が事となってこそ活きてくるのですから、関係者・市民と広く深い議論が行われるよう進めていただきたいと考えます。


昨年度は、第2期基本計画の策定と足並みを揃え、様々な政策分野の計画も策定されました。コロナウィルス感染症の拡大により、先を見通せない状況にはありますが、感染症対策のみならず、並行して、それぞれの計画を推進することが、ポスト・コロナへの備えでもあります。大変なことは承知しておりますが、これまでの本市の歩みを止めることのないよう、未来を見据えて事業に取り組まれることを要望いたします。

最後になりますが、中小路市長は、その政治姿勢において「対話」を重視すると、折にふれおっしゃってきました。今は、中々「人が集まる」ということができない状況にありますが、こんな時だからこそ、市民の声をより丁寧に聞いていただくことが必要だと考えます。更に、この状況下で即断即決が求められることも少なくないことは容易に想像いたしますが、政策決定においては引続き議会との情報共有を大切にしていただくことを求め、本市が目指す「住みたい 住みつづけたい 悠久の都 長岡京」への歩みが着実に進むことを期待しまして、討論と致します。