2021年6月23日(水)、長岡京市議会は議会運営委を開き、定数を24人から22人に変更するよう求めた請願について不採択としました。しかし、最終日の25日(金)、本会議場で、それぞれの意見を討論した結果、賛成多数(賛成14/反対9)で可決となりました。白石はこの請願に賛成しています。以下、私なりに受け止めた討論の概要を記載します。ご一読いただければ幸いです。


■議員定数2減に反対の意見


◆民主主義の発展を希求する立場から、多様な市民の意見を議会に反映させ、二元代表制の一翼としての機能を果たすには議員の人数の確保は罷業に重要。
 

◆他の市町村では、人口1300人ほどで議員定数が8人のところや、人口2700人ほどで議員定数が10人のところもあり、この数字から見ると、議員一人に200名程度と、顔が見えるくらいの代表というところもある。本市は人口約81000人議員定数は24名で、議員1人当たり3300人。議員定数に「正答」はないし、絶対基準もない。もっと議論を重ねたうえで、多様化する市民ニーズにこたえるべく、現状の24で良い。


◆平成25年に定数26名から2名減の24名になってから現在まで現状維持の考えは変わらない。これ以上、定数を削減することは現在において多様化するニーズが市政に反映されなくなる可能性が大きい。市は財政的にひっ迫する状況ではないことから現状維持とする。


◆コロナ禍で事業者さんや市民の生活は苦しくなっている。しかし、議員定数を2減にしてその報酬を市民生活の何に反映させていくのかを、まずは検証するべきではないか。

■議員定数2減に賛成の意見

 

▼白石たづ子の賛成意見ここから
議員報酬の総額が減ることにより、市民の税負担を軽減し、税収を社会保障へ回すこともできます。

しかし「議会は地方公共団体の意思決定機関であり、議員定数を減らす議論よりも、むしろ議員の質をいかにして高め、民意の反映をどうするかの議論のほうが大切である」「住民を代表して審議・決定するのだから、全住民を代表するにふさわしい数が必要である。したがって、少数精鋭よりも多数精鋭であるべきである」「議員が少数では、行政とのなれ合いの問題が起きやすくなる」「議員定数削減による経費削減と議会の監視機能、住民意思の反映等の両面を比較検討すべきである」という意見があることも承知しています。 

 

議員定数の「適切な数」は、なかなか割り出すことはできません。

あえて算出するのであれば、よい議員提案の施策や条例が生み出されたときの議員定数が適切といえるかもしれませんが、その場合、よい施策、条例とは何かという問題が出てきます。 

 

議員定数をあと2人から4人くらいは減らせるのではないかという、感覚的な議論がされているように思いますが、「あのような働かない議員はいらない」と言われる議員であっても、別の市民から見れば働いていると映る場合もあるため、「2人くらい減らしても今と変わらない」と言われてしまうと元も子もないのが正直なところです。ただ、一旦減らすとやはり不都合が起きたとしても増やすことができないのではないか?

 

しかし今、実際に2人欠員があったところで、市議会に何か困りごとが増えるかといえば「そういうわけでもない」事実が存在している限りは、定数の削減をするべきだと考えます。

▲白石たづ子の賛成意見ここまで

 

◆議会の機能強化や活動の充実により、市民の暮らしが良くなることが最大の役割と意義と考える。

そこで、市民に開かれ議会を目指し議会改革をすすめている。二元代表制の一翼を担う議会として議員定数は、「現状維持」と「削減」の双方意見があり、常任委員会や特別委員会のあり方についても一体的に検討しなければならない。 
 

市民のための議会であることを大前提に、市民の意見の反映と持続可能な市政運営を重視した議論が重要である。従って、議員定数の検討の方針を行財政改革の視点でなく、市政の現状と将来展望を十分に考慮して検討すべきと考える。現状維持を否定するのなら2名減と考える。


◆22人が適切なものと考える。

その根拠としては、長岡京市議会は委員会中心主義をもって議会運営を行っていることから、その議員としての専門性を発揮しうる常任委員会において、議員同士の討議性を確保するための最適な人数としては、正副委員長を含め7人が適切なものと判断し、3つの常任委員会×7人+議長の計22人が、長岡京市議会における適切な議員定数と考えるところである。 



 
■白石たづ子NOTE


請願の審議では、ひとりの議員の賛成討論で過去の経緯を説明した内容に事実誤認があると動議が出され、審議が約2時間中断した。
市議会議員の定数削減は議会運営委員会では、何度も議論を重ねた課題ですが、今回、市民団体より請願が出されたことによって、決議に至る経緯が慌ただしく展開したことは否めません。各々の会派で十分な議論はあったのでしょうか。会派のあり方とは何なのか、2名減となった結果はさておき、今回のプロセスには、いささか後味が良くないものが残ります。

 

なお、議員定数削減は、今年10月3日(日)に執行される、次の長岡京市議会議員一般選挙から適用されることになります。