【白石質問】
令和3年1月に中央教育審議会答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」が出されました。

社会の在り方が劇的に変わる「Society5.0時代」の到来、新型コロナウイルスの感染拡大など先行き不透明な「予測困難な時代」のように急激に変化する時代の中で育むべき資質能力の育成を行うことが求められています。

今後、新学習指導要領の着実な実施、ICTの活用、教員の働き方改革の推進などを進める中で、従来の日本型学校教育を発展させ、「令和の日本型学校教育」を実現していくことを目指しています。

本市の小中学校においても、今後、様々な取り組みを進めていかれることになると思いますが、次の3点について質問させていただきます。

1つ目は、ICTの活用についてです。令和2年度末までに、児童生徒1人1台タブレットの導入、高速インターネット回線及び校内無線Wi-Fiの整備が完了するとお聞きしております。令和3年度から、実際に各小中学校で活用が始まりますが、実際に指導する教員への研修は不可欠と考えます。また、児童生徒に情報化社会においてどのような力を身に付けさせていこうと考えておられるのかについてお聞かせください。

2つ目は、新型コロナウイルスの影響が今後も続くと想定されています。新型コロナウイルス感染拡大防止のために臨時休校を行いましたが、今後も臨時休校が起こる可能性も否定できず、感染や自宅待機等で学校へ通学できない児童生徒が出てくる可能性もあります。
子ども達の学びを止めないためにも、今後、このコロナ禍の教育をどう進めていこうとされているのかについてお聞かせください。

3つ目に、今回の答申の中で、小学校高学年での教科担任制の導入についても記されております。答申では、令和4年度を目途に実施とされていますが、現在、小学校英語で実施されている小学校専科教育と合わせて、本市の現状並びに今後どのように進めていくのかについてお聞かせください。

【答弁】

◆「ICTの活用」について

教職員研修におきましては、学校でのタブレット端末(ipad)の管理及び活用についての研修を、2月に2回、授業支援アプリ活用研修を3月に1回、各校の担当者を集めて実施、これを踏まえ、各校での研修を行ってまいります。また、教職員用のタブレット端末を2月から順次、各校に配布し実際に操作することで授業での活用をイメージしております。

「児童生徒に身に付けさせたい力」

新学習指導要領では、「学習の基盤となる資質・能力」として「情報活用能力」が位置付けられ、教科等横断的に育成を図る、とされています。

平成31年3月に文科省が作成した「情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン」の中では、情報活用能力の育成のための「想定される学習内容」を、「基本的な操作等」「問題解決・探求における情報活用」「プログラミング」「情報モラル・情報セキュリティ」に分類しております。

本市では、これをさらに具体化した学習内容、及び小学校の低中高学年と中学校の学習目標を整理し、教職員へ配布しております。

今後これをベースに、各校・各教員が実際の授業を進めていくこととしております。次年度も学校での活用状況を踏まえ、学校教育課と教育支援センターで連携を図りながら、教職員研修並びに授業研究を進めてい参ります。

◆「コロナ禍のもとでの教育」について

昨年度末からの感染症の影響により、臨時休校や制約がある中での教育活動が続いております。全国や府内一律の臨時休校の可能性は少ないと考えますが予断は許されません。今後もしばらくは教育活動での制限は必要となります。これまで同様「マスク着用」「教室の換気」「手洗い・消毒の徹底」など、できる限りの感染防止対策を図りながら教育活動を行ってまいりたいと存じます。

児童生徒1人1台配備のタブレット端末、校内のwi-fi環境、並びに高速インターネット回線の整備により、万が一に長期休校が必要となった場合も、オンラインの授業も含め、子どもたちの学びを止めることがないよう取組を進めてまいります。

児童生徒が、感染症や濃厚接触者に特定され、登校できない場合、本人保護者の同意は必要ですが同様の対策をとってまいりたいと考えております。ちなみに、濃厚接触者に対して授業配信や放課後の担任からの授業支援で、オンラインを使っている例はすでにあります。

◆「小学校高学年での教科担任制の導入」について

本市では現在、一部の学校で府教委から小学校英語専科教員の加配措置を受け、小6での英語につきまして、中学校英語教員免許を持つ専科教員が指導しております。配置された学校を拠点に、限られた時数の中で他行も指導する運用をしております。併せて一部の学校では同学年の担任が授業を交換して指導に当たっている例もあります。

小学校での教科担任制の導入は、教員の授業準備の効率化での負担軽減や教育活動の充実などのメリットはありますが、学級担任が全教科を教えるという、これまでの教科横断的な指導の利点がなくなる等の課題があります。

一方、専科教員を含む教員の配置数確保につきましては、各学校の事情と意向を参考に、府教委が裁量により決定いたしますので、本市の要望のみで対応することは困難であります。
また、必要となる教職員の人材確保につきましては、ご承知のとおり全国的に公立小学校の教員採用試験の受験者数は減少の一途を辿っており、優秀な教員の確保はまさに喫緊の課題であります。

今後とも、国や府の動向を踏まえながら、専科教員の配置を含め、教科担任制度の導入に向けた人材確保及び教員の質の向上を図り、さらなる本市の教育の充実に邁進してまいる所存であります。