【白石質問】

 人生100年を見据えての高齢者施策について、大きく健康寿命の延伸について、生涯学習について質問します。

 2017年1月に、日本老年学会と日本老年医学会が合同で高齢者の定義を見直す提言を行いました。運動機能、認知機能、病気の発症率やそのことによる死亡率、国民全体の高齢者の年齢区分に対する意識など、さまざまな観点から検討を加え、65歳以上を高齢者と定義したころと比較して、少なくとも75歳以上が当時の65歳以上に匹敵するくらいに若返っていることを明らかにしました。

 現在の日本人においては、75歳以上を高齢者と定義し、より手厚い医療や介護の施策を行うべき対象としてよいこと、65歳から74歳は高齢者の準備期にあたる状態で、多くの方は疾患を抱えても自立しているために、その自立度を維持する方向に対策するべきであること、その延長線上には活力ある超高齢社会を描きうることを示しました。

 日本人の若返りをわかりやすく説明するときに、漫画「サザエさん」のお父さんである磯野波平さんを例に出すことがありますが、昭和時代の父親像として描かれている波平さんの年齢設定は54歳だそうです。日本では昭和初期から1980年ごろまでは55歳定年が当たり前でした。定年1年前の風貌と考えた時に、現在の日本の主な定年年齢である65歳と比較しても、現在の日本人はもう少し若返っている感じで、50年以上前との比較だけでなく最近の20年程度を見ても10歳程度は若返っているという科学的データと一致するように思います。        

【白石質問1】
 そこでまず、本市の長寿化の進行状況についてお尋ねします
近年の本市の男女の平均寿命と、100歳以上人口はどのように推移してきているのか、また将来予測についてもおうかがいします。

【健康福祉部長答弁】
 京都府発表のデータによりますと、近年の本市における男女の平均寿命は、男女ともに平成27年をピークに微増しておりましたが、その後いったん下がり、再び微増傾向を示しています。直近の数値としては、平成30年度で男性が83.5歳、女性が88.49歳でした(H.27:男性83.5歳、女性88.66歳)。

 また、本市の4月1日時点での100歳以上の人口につきましては、直近5年間では男女合わせて約30人前後で推移しておりましたが、本年4月時点では42人と伸びており、その要因は女性の増加でありました。

 本市におけるこれら数値の将来予測は、なかなか難しいところでありますが、近年の医療技術の進歩や新薬の開発などにより、日本人の三大死因である「がん・心疾患・脳血管疾患」などの死亡率が低下するとともに、健康意識の高まりなどによりまして、今後も数値は緩やかに伸びていくものと考えられます。

【白石質問2】
 また、長寿化、高齢化に伴う社会モデルの変化に対応する行政施策の在り方、健康寿命の延伸を推進するための施策について、ご所見をお伺いします。

【健康福祉部長答弁】
 長寿化が進んでいく中においては、平均寿命の延びを上回る健康寿命の延伸が望まれるところです。つまり、平均寿命が延びても健康である期間も伸びなければ、活き活きと南進して暮らすことはできないことになります。
 

 本市では健康寿命の延伸を目指して健康増進計画を策定し、健康検査やがん検診による疾患の早期発見・治療に向けた取り組みや、特に働く世代を中心とした若年層への健康づくりの取組みを実施しているところです(健康マイレージ事業など)。

 また、高齢者福祉計画では、高齢者の方が活き活きと社会参加しながら元気に過ごしていただけるような環境整備のほか、その人に応じた介護予防などの各種事業を実施しています。

 

 長寿化を見据え、都市を重ねていっても、住み慣れた地域で、安心して活き活きとその人らしく暮らしていけるまちを築けるよう、健康長寿プラン2025に基づいた取り組みを、全庁的に進めてまいりたいと考えています。