急速に進む高齢化によって、高齢者にとって今やゴミを出すことが難しくなってきているという現実があります。筋力の低下や関節疾患がある高齢者にとって、大きなゴミ袋や重たい新聞の束を集積所まで運ぶのは、大変な作業です。認知症やその前段階の軽度認知障害になると、ごみ出しの曜日や分別のルールを覚えることも難しくなります。近年、こうした身体機能や認知機能の低下によって、ごみ出しが困難になった高齢者の支援が課題となっています。
国立環境研究所は「高齢者ごみ出し支援ガイドブック」で高齢者のごみ出し支援モデルを示しています。地域によっては、高齢者世帯が中心となっている所もあり、これから5年、10年と経つに従い、こうした地域は増加していくことが想像できます。
今、このような課題が、地域に持ち上がっているということは共通の認識であると考えます。近隣自治体でも、ゴミの戸別収集がいよいよ始まっています。
例えば
 
ごみ出しが困難な方もごみ出しが円滑にできるよう,高齢者や障害のある方などの生活支援の一つとして,ご自宅の玄関先までごみの回収に伺う「ごみ収集福祉サービス」を市内全域で実施しております。サービスの内容としては
(1)燃やすごみ,缶・びん・ペットボトル,プラスチック製容器包装,小型金属類・スプレー缶,雑がみの5種類を収集の対象とします。
(2)玄関先まで収集に伺います。(屋内には立ち入りません。集合住宅も可能です。)
(3)原則として,5種類全てを同時に週1回収集します。
(4)ごみの排出がない場合,登録された連絡先等に連絡するなどの安否確認を行います。また,希望される方には,安否確認の際に玄関ベルやインターホンを利用した声かけを行います。
 
地域の高齢化に伴う課題は、様々な事象として浮かび上がっていることを、肌で感じております。住み慣れた地域でいつまでも楽しく元気でいられるために、地域包括ケアシステムを進めるためには、このような課題もしっかりと解決していくことが必要ではないでしょうか?本市においても早急に求められていると考えますが、本市の対策についてお伺いします。
 
【答弁】「ごみ(不燃ごみを含む)の戸別収集について」でありますが、高齢者や障がいのある方で、ごみ出しが困難な方を対象とした、ゴミ収集福祉サービスについて、本市でも重要な課題であると認識しており、これまで廃棄物処理担当部門と福祉部門合同で調査・研究を進めて参りました。昨年4月には、市内の事業所で働くケアマネージャーを対象に二―ズ調査を行い、前線で働く方々のご意見も聞き取りながら制度導入に向けて、準備を進めているところであります。導入を検討している制度の内容は、対象者宅を戸別に訪問し、玄関先に出されたごみを回収していくもので、
「ホームヘルプサービスを利用されている方で、定期収集時にごみを所定の時間や場所に出せない方」、「親族や近隣の方によるごみ出しの協力が得られない方」など一定の条件に合致した方を対象とするものです。また、ごみが連続して排出されていないなどの異変に気づいた場合には声掛けをし、応答がない場合には緊急連絡先や福祉部局に連絡するなど、見守り・安否確認機能も取り入れるよう検討を行っております。
 回収するごみは、可燃ごみを対象としており、不燃ごみ及び資源ごみについては、地域お助けサポーター制度やヘルパー制度を利用していただき、分別ステーションへ排出していただくことが可能であると判断いたしますので、対象からは除くことで考えております。なお、制度導入については、2019年秋から試験的に導入を開始し、十分に制度の検証を行ったうえで、本格導入に向けて、制度の構築を図ってまいりたいと考えています。