平成30年5月8日~5月9日の2日間をかけて愛媛県四国中央市「子ども若者発達支援センター」並びに徳島市名東町「児童発達支援センターにこにこ園」に子ども若者の発達、ニート、引きこもり等に関する相談支援業務、児童発達支援業務の視察に伺いました。この報告を2つのエントリーに分けて掲載します。なお視察報告書は下記からPDFでご覧いただけます。ぜひご一読下さいませ。

◆議員視察研修報告書

 

【視察1日目】
日時  :平成30年5月8日(火)14時~16時半
視察先 :愛媛県四国中央市 子ども若者発達支援センター
目的  :子ども若者の発達、ニート、引きこもり等に関する相談支援業務の視察

視察先施設概要
発達障害などの療育支援機能を統合した愛媛県四国中央市の「子ども若者発達支援センター(愛称・パレット)」。学校や社会での生活に困難がある子どもらを、幼児期から就労期まで一貫して支援。言語聴覚士や作業療法士、臨床心理士などの専門職を含め48人が常勤。相談、検査、療育などをワンストップで行う施設です。

四国中央市概要
人口:約89.000人。
地理:愛媛県最東部。北は瀬戸内海のひうち灘に面し、南部は高知県に、東部は香川、徳島両県に接しています。
成立:平成16年に川之江、伊予三島の2市、および宇摩郡の土居町、新宮村が合併し成立。四国中央市の成立により、宇摩郡はなくなりました。

子ども若者発達支援業務概要
平成19年に、福祉こども課内に「発達支援室」を設置し、主に子どもの発達に関する悩みに応えていらっしゃいます。同年10月から市の単独事業としては全国4番目となる3歳から18歳までの一貫した「個別支援計画」の策定をスタートされました。相談業務を平成29年4月に開設した「子ども若者発達支援センター」内に設置したことにより、相談の対象年齢は39歳まで拡大、これに伴い相談内容もニートやひきこもりといった若者の悩みにも応えているそうです。
発達支援事業は下記5本の柱からなっています。
①来所(電話)、巡回、療育、教育、就学などの相談事業
②発達検査や個別支援計画作成、特別支援学級センター校への支援などの支援事業
③市民・関係機関・保護者・支援者を中心とした啓発研修を行う事業
④発達支援センターの他2教室における個別療育教室を定期的に実施し、運営する事業
⑤県の教育委員会や発達支援センターと市の関係機関との連携を図る業務

 

視察レポート
まず感じたのは、平成16年に二市一町一村が合併し、平成19年には「発達支援室」を設置し、発達支援事業を行っているスピード感とインクルージョンへの熱意です。発達支援事業は上の5つの事業、業務からなっていますが、その核となっているのは3歳から18歳まで引継がれていく「個別支援計画(※1)」でしょう。その子どもを支えていきたい、より良い支援になるようにと、都度関係者が集まり検討会議が行われているとのことでした。支援引継ぎシートも活用し、子どものその時期に合った支援を行っています。
また、レスパイトケアの充実やワークライフバランス実現への働きかけなど、親が孤独に悩み苦しむことがないように細やかな配慮が行き届き「共に生きる」という思いが随所に感じられました。
支援の連携と引継ぎのツールである「個別支援計画」が活用されているのが、基本的に学齢期までであり、その先に繋いでいくシステムについては課題が残るのかもしれません。


(※1)乳幼児期から学校卒業まで、一貫した支援を行うことができるようにするための計画の策定で、障がいや発達課題のある子ども一人ひとりを、関係機関(医療・保健・福祉・教育・就労)が連携して効果的に支援するための計画。個別支援計画を作成することにより、本人や保護者が目標、支援内容や支援の方法や情報共有ができ、外部機関との連携もスムーズに行える。個人情報の保護も重要なので、個別支援計画作成に関する情報保守を記載した同意書にサインをもらった上での作成ということになる。


以上