【白石たづ子】

第7次高齢者福祉計画の高齢者虐待防止・権利擁護対策にも掲げてあります成年後見制度等の利用支援、日常生活自立支援事業等の周知と利用促進、市民後見人の養成に向けた研修や講座の実施、専門職による支援体制の構築についてお伺いします。
 

成年後見制度は2000年4月に、介護保険制度と同時にスタートして、高齢者の日常生活、意思決定を支える車の両輪として利用が期待され、17年になります。認知症高齢者は2025年には約700万人に達し、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になると予測され、成年後見制度の必要性、重要性はさらに高まってくると考えられます。しかし、実際にこの制度を利用されているのは2015年末現在で全国で約19万人にとどまっているというのが状況であります。

 



【質問1】

本市においても、認知症高齢者、ひとり暮らし高齢者が増加傾向にありますが、認知症の高齢者や知的障害、精神障害のある方に、成年後見制度を十分利用していただけるよう、成年後見制度の周知、啓発はどのように行われているのでしょうか。

【健康福祉部長 答弁1】
本市では市のホームページに成年後見制度利用支援事業の案内を掲載し、生年後見制度の利用が必要な方に制度が利用できるよう周知・啓発を行っております。また、障がい者の方向けに毎年発行している「障がい者福祉のしおり」には「成年後見制度」について記載し、平成27年度・28年度に高齢者の方向けに発行した「エンディングノート」や「認知症ケアパス」の中にも「権利擁護」や「成年後見制度」の紹介、「財産管理」における任意後見人の紹介など、周知に努めています。
平成29年11月には地域包括支援センター主催の「高齢期を自分らしく過ごすための講座」の1つのテーマとして制度の周知を図り、また障がい者相談機関においては、生年後見制度の講座を開催し、支援者が制度理解を深めることができるよう周知・啓発の取組をしていただいています。

【質問2】

本市における専門職による支援体制の構築とはどのようなものでしょうか?お伺いします。

【健康福祉部長 答弁2】
平成26年度から長岡京市社会福祉協議会が主催して開催された、障がい者や認知症の家族会、福祉支援機関、専門職団体と市で構成の「長岡京市の権利擁護・成年後見制度の在り方を考える会」において、地域の方々と共に検討を重ね、共通理解を深めてきました。またケアマネージャー、介護、障がいサービス事業所の相談員、障がい者の相談支援専門員などいわゆる相談援助職と、障がい者や認知症の家族会の方々にインタビューやアンケート調査を実施し、地域の権利擁護体制の充実を求める声を把握してきました。さらに、本市では具体的な支援の在り方を検討するために、家庭裁判所が主催する「家事関係機関との連絡協議会」に参画し、府下の成年後見人制度の状況や家庭裁判所の見解、専門職団体の取組などの情報収集を行うとともに、成年後見制度の普及啓発と利用促進に向けた取り組みを府の障害者・高齢者権利擁護支援センターと連携して進めて参りました。

 

こうした中で、平成29年3月、「成年後見人制度の利用の促進に関する法律」が施行され、国が策定した成年後見制度促進基本計画の中で、利用促進に向けての都道府県や市町村の役割が明確化されたのです。今後はこれまで行ってきた取組をさらに進めながら、本市の成年後見制度利用促進基本計画を策定するとともに、「制度の利用促進計画」や「権利擁護支援の体制の整備」などについて調査・審議するための会議の設置などを行ってまいりたいと考えています。具体的な展開については、福祉支援機関や弁護士会、司法書士会、社会福祉士会等との意見交換の場を設け、様々な立場の方からのご意見を聞きながら、本市が支援体制に向けて取り組むべき施策や方向性について検討していきたいと考えております。