一億総活躍、希望出生率1.8%を達成するためには、女性の健康は絶対に必要な基礎となるものです。妊娠、出産、そして子育てなど、女性の一生にわたる身体的特徴を理解しなければ、有効な女性の健康支援を行うことは困難だといわれています。現在、国は前向きな取組を進めていますが、まだまだ充分とはいえないのが実情です。

 

先日、NPO法人マドレボニータの太田智子さんのお話を聞く機会に恵まれました。マドレボニータとはスペイン語で「美しい母」という意味です。

 


日本で1年間に生まれる赤ちゃんの数は約100万人。母親となる女性の中には企業や行政などで働く人も少なくありません。しかし、女性の社会進出が叫ばれる一方で、働く女性の産前産後を支援する体制は不十分なのが現状です。
産後の職場復帰や働きながらの子育てをしやすい環境を整えることは、企業にとってダイバーシティ経営の第一歩であり、多様な主体が生き生きと活躍する社会の実現につながります。


 

女性は男性の2倍程度、うつ病になりやすいそうです。これは世界的な傾向です。男女差の原因としては、思春期における女性ホルモンの増加、妊娠・出産など女性特有の危険因子や男女の社会的役割の格差などが考えられています。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/01/s0126-5b2.html

 

 

「産後ケアシステム」は、ケアの対象を「子どもの母親」としてではなく、「ひとりの女性」として受け止めることから始まりまります。「アイメッセージ」での会話がなくなってしまわないように(子供の話に終始しない)。女性の負担を軽減し、子育てに我慢をしなくていい環境をつくり出し、より楽しく有意義な子育てができる社会をつくり出すためにはどのようなことが必要であるかなど、お話を聞かせていただきました。

 


産前から産後へと変わる女性のこころと体、そして環境の変化も女性には大きな負荷がかかります。そんな人生の節目を迎えた女性に寄り添い、社会進出への支援、ワークライフバランスの実現、地域の人と人とのつながりを再びつくり出すような、新たな育児支援体制への協力が急務であると実感しました。