平成28年7月26日~27日、東京都町田市障がい者福祉センターひかり療育園、まちだ育成会、町田市美術工芸館、町田市子ども発達センターすみれ教室を視察しました。この中からひかり療育園、並びにすみれ教室の視察内容をご紹介させていただきます。

◆すみれ教室

すみれ教室は「町田市心身障がい児を守る会(すみれ会)」によって運営されていた教室を母体として、1972年10月、市内在住の心身障がい児のための療育施設として設立されました。乳幼児は、安定した生活の中で適切な療育を受け成長を促すことを目的としています。さらに、市相談や療育の機関として、保育園、幼稚園などを巡回したり、親子の指導も行っています。

施設内は広く、本格的なプールもあり、色々なクラス、色々なアイデヤグッズや、幅広い専門職の方々(たとえば、音楽療法士とか言語療法士など)がおられ、町田市の福祉の充実がうかがえます。

子どもの発達障害は早期発見、早期療育が理想ですが、年齢が低ければ低いほど親御さんの障がい受容が難しい。そのため、子ども本人よりも、親御さんに寄り添う時間もとても大切で、養育についての不安を和らげ、主体的に養育に取り組めるよう支援しています。

教室には、発達相談をした後で、お子さんの様子に応じて初めて参加する「療育体験グループ」があります。利用回数はおおむね10回で、療育体験最終日に面談をしています。

そして、「療育体験グループ」終了後に参加できる「親子通園グループ」があります。いろいろな遊びの中で発達を促し、生活を充実させることをねらいにした、少人数での親子活動です。

そのほかにも、プール活動、自主保育活動(地域の保育園で同年齢の友達と遊ぶ機会も設ける)があります。また、障がい学級に通学しているお子さんのほとんどがすみれ教室に通っています。





「すみれ教室」では発達検査も行っています。この検査では、子どもが、何が得意で何が不得意かを見極めることができます。ですが、グレーゾーンの境界線ははっきりとしたものでは無く、発達障害と判断するには難しい子供達も通所しています。

残念なことは、すみれ教室のフォローは就学前までで、学校に上がってしまうとフォローのシステムがないということです。就学前に幼稚園や保育園、すみれ教室から、「支援シート」の学校へ申し送りの機会はあるとのことですが、実際にはなかなかその連携が取れていないようでした。

なお、「すみれ教室」の定員は40名。お断りしなければならないケースもあるらしく、通所5回のところ、3回でまかなえる子どもたちとの調整をしながら、現在は44名の就学前のお子さんを預かっているということです。

長岡京市でも、発達障害センターを計画しています。そのこともあり、全国でもトップレベルの町田市の福祉の充実を視察できたことはとても意義のあるものでした。この度の視察を通じ、得たものを、市政に反映していきたいと思っています。