平成27年1月26日、福岡県大野城市「教育サポートセンター」を視察しました。下記にその概要・内容をご紹介します。

◆「教育サポートセンター」概要




 大野城市は、人口約99.000人、児童生徒数、小:6.121人、中:2.974人。小学校10校、中学校5校があります。これまで「福祉」と「教育」は、それぞれが役割を果たしてきました。ですが今後は、学校だけでは解決できない「子どもの課題」があることに着目、教育における「福祉」的機能の役割を拡充するため「福祉」部局との連携を図り、「教育サポートセンター」を立ち上げられています。

これは「教育と福祉のジョイント」と銘打ち、「大野城市の子どもは大野城市で守り育てる」という基本理念のもと、0歳から15歳までの子どもを一貫して支援しようとするものです。

 サポートセンターは、インクルーシブ教育(学校教育法施行令改正、就学決定の仕組みの変更)、いじめ防止対策推進法(組織の設置、方針の策定、未然防止の取組)、家庭環境の課題(保護者の養育態度、学校の保護者対応、保護者の悩み、不安)、児童生徒の課題(不登校の増加、発達障害の児童生徒の増加、いじめへの対応)をチームで取り組むという考えのもとに設置されました。これは、全国的にもまだ新しい組織です。



 センターには校長経験者や社会福祉士などが配置されています。いじめや不登校、発達障害などの様々なケースに対し、チームで対応する体制を整え、縦割行政の弊害がなく、必要な情報を的確に収集できることを目的としています。


◆視察をおえて。白石たづ子の視点

 いじめ問題を解決するためには、いじめの兆候にいち早く気づき、早期に対応することが何より重要です。いじめは、人格形成に極めて重大な影響を及ぼすだけではなく、その生命または身体に危険を生じさせる恐れがあります。いじめは成長段階においては必要な場合もあるとか、いじめられる方にも問題があるなどという考え方には同意できません。

 長岡京市では平成26年度、いじめの認知件数が小学校1,548件、中学校で166件。他府県の認知件数と比較して多くなっています。この数字は、学校によってとらえ方が違うし、何を持っていじめが解消されたかは課題であり、いじめに対する基準も混在しているので、客観性にかけます。そのため、いじめの件数が少ないことのみをもって問題なしとすることは早計です。

 教育現場にいる人たちは、子供の悩みを親身になって受けとめ、子供の発する危険信号をあらゆる機会ととらえて敏感に感知するよう努め、自分のクラスや学校に深刻ないじめ事件が発生し得るという危機意識を持って頂きたいと思います。そして家庭や地域でも、もっともっと細心の注意を払って、感度を上げ、いじめられている児童生徒の心に寄り添っていかねばなりません。

 学校、地域全体で、個性や差異を尊重する態度やその基礎となる新しい価値観を育てる指導を徹底するとともに、道徳教育、心の教育を通じてかけがえのない生命、生きることの素晴らしさや喜びなどについて教育・指導を大切にし、いじめの問題を克服していかなければならないでしょう。

◆平成27年12月定例会(12月 9日)一般質問

白石たづ子は平成27年12月定例会(12月 9日)一般質問で「インクルーシブ教育の理念について市長と教育長の御認識について、またその課題について」質問させていただきました。
動画はこちらからご覧いただけます。

この質問内容は白石たづ子オフィシャルウェブサイトに掲載しています。ぜひご一読いただければ幸いです。

平成27年12月定例会(12/9)一般質問「インクルーシブ教育の理念について市長と教育長の御認識について、またその課題について」(白石たづ子オフィシャルウェブサイトへリンク)