さて、長く間が空いたけれど、重い空気を発していたオットは、徐々に機嫌が上向きアップになった。いよいよ赤バイクバイク熱が再燃したようで、PCでバイクパーツを熱心に眺めている。時折バイクで出かけたかと思えば、私にプレゼント土産を買ってきてくれたりもした。

機嫌が良くなったのは、ケガの保険金が一部出たせいもあるよう。

それで3ヵ月遅れの生活費を入れてくれた。まだ2ヵ月分はたまっているが


ようやく仕事もする気になったようで、あれこれと準備したり得意先へ出かけたりもしていた。途中、何度か落ちたりイライラしたりもあれど、今までに比べればかわいいものだ。許容範囲である。冷や汗



そんな感じで2週間ぐらい過ぎ、2日間忙しく仕事をしていてオットは、食事の後はすぐに爆睡していた。

が、何事も熱中しすぎて自滅するのは変わらない。「加減」というものがないのだ。週明けには、朝起きて散歩へ行ってくれたものの、「午前中に診察とリハビリに行く」と保険証を出しながら出かける気配がない。

あちこち痛いから診てほしいが、出かける気力がないのだという

結局、ワタシが昼から仕事の打ち合わせに出かけ、夕方帰ってきたときも家にいてぐったりしていた。おそらくずっと寝ていたんだろう。そして、合間にPCでバイクパーツのオークションや改造のサイトを見ていたようだ。いくつかウォッチリストと入札履歴が残っていたが、高値更新され落とせなかった模様。

そして、帰ってから仕事を片付け、大急ぎで食事の支度をしたワタシに「今日はあんまり食えそうにない」と言いながら、本当に10分ほどで食べ終え、そそくさと寝床へ上がった。ぐぅぐぅ


翌日も、散歩のあとは「ダメだ、疲れが抜けない」と、寝床へ。昼過ぎにカップ麺を食べて、昼寝。時々起きてPCで仕事をしながらオークションを見たり、また寝っ転がったり。この日も病院病院へは行かず。

いつまでもシャンとしない自分にいらだってか、昼前から機嫌は下降気味で、口数もだんだん少なくなってきた。

この日、私は夕方まで仕事をして、夜は趣味の会がある日だ。食事はすぐ食べられるように手のかからない献立を考えて出かけた。そして8時半に戻ると・・・・

オットは、またもや残り物や袋菓子などで飲んだんだろう。服のまま布団に丸まっていた。揺り起こすと「散歩は行った。飯は要らないプンプン

それだけ。

風呂も洗ってなかったので、入浴もせず寝ているのだろう。


ワタシが、いつもより少し遅くなったことへの当てつけか。オレの調子が悪いときに、自分の趣味で出かけやがって・・・とでも言いたげな表情だった。


次の日。二日間、半日以上寝ていたオットだから、睡眠時間が足りたのか。前日も午後8時過ぎには寝ていたので、さすがに6時過ぎに起きていた。

そして散歩へ行って本を読み、PCで仕事を少ししたあとは、早めに昼食を作ってくれた。そしてようやく病院へ。

ワタシは3時過ぎまで仕事をして、メンクリへ行く。「相変わらずです。本人は良くなったと言っているかもしれないですが、寛解はしていませんよ」と伝える。そして改めて、簡単な日記からでもいいから行動記録をつけるように言ってくれるよう、お願いする。先生は「本人がやりたがらなければ、無理強いできない」とおっしゃるが、ひょっとしたらよい方向に向かうかもしれないことなんだから、それをうながしてくれるのがドクターじゃないの!?


そして戻ってくると、オットはパソコンPCで仕事をしながらオークションに入札をしているよう。

ワタシも残っていた仕事を片付けるべくパソコンPCに向かう。

が、あいにくこの日は飛び込みの仕事があり、切り上げるつもりが遅くなってしまった。

オットは7時過ぎに散歩へ行き、8時前に戻る。しばらくして、台所で物音がした。今日は献立の予定があるのだけれど、仕事のキリがつかない。そこで、下へ降りていって

ゴメン、悪いけれどあと15分ほどで終わるから。食事の用意もすぐするから

いったい何時だと思ってるんだよ。もう9時になるじゃないか。毎日毎日、飯の時間が遅すぎるっメラメラ

もう怒っている

うちの割り箸夕食はたいてい9時前なんだし、めちゃくちゃ今日が遅いわけじゃないんだけど。昨日だって、毎週のことなんだし、帰宅時間の想像はつきそうなものなのに、それが待てずに先に済ませて寝ていたんだろう。

ワタシは冷蔵庫から今日食べる予定のものを出し

じゃあ今日はこれとこれを食べるつもりだから、先に食べていてちょうだい

そう言って仕事へ戻った。下からはレンジで温める音や、ビールビールを出す音が聞こえる。

ほどなくして降りてゆくと、オットはもう半分以上食べていた。ワタシは、犬用のトレイを片付け、水を入れ替えてからテーブルにつく。その間、わずか10分ほど。しかしオットはそのわずかな時間に食事を終え、ワタシと入れ替わりに食器を洗ってコップに焼酎をなみなみと注いだ。そしてカウンターに腰かけて本本を読みながら飲む。口は一言も聞かず。

なんてこれ見よがしなんだ

ワタシも構わず、テレビテレビを点けてゆっくり食事。するとオットは風呂へ入った。


しばらくしてワタシも食事を終え、食器を流しに置いて残り物を片付けたり、台所を整理していた。そこへ風呂から上がってきたオット。流しをチラッと見て、やおらスポンジを手にしてワタシの茶碗を洗いはじめる。

いま、こっちを片付けてるんだし、済んだら洗うから。しなくていいって

そう言っているのに、ワタシの手を払いのけて茶碗を洗う。そして拭いて食器棚にしまった。

こういうふうに書くと「親切なご主人」と、人は思うかもしれない。

が、しかし。

その間、オットは無言。険しい表情で、むかっ青筋を立てているのである。流しに食器を置いてすぐ洗わないワタシへ、当てつけなのは一目瞭然だ。ショック!


そして2階へ上がっていき、しばらくPCに向かっている気配だったが10時前には寝た模様。PCにはバイクパーツの入札履歴が残っていたけど、誰かに高値更新されていたので、機嫌が悪いのはそのせいがあったのかもしれない。


食事のあと、まだ終わらない仕事の続きをしながら、むかついてきた。胃のモヤモヤは吐いたらすっきりするけれど、頭のモヤモヤはぜんぜんすっきりしないんだよね。

いったい、こんなことを何度繰り返すのだろう。

あの険しい表情を見るのは本当にイヤだーーーーー。チーン




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