そして翌日。
この日、私は趣味の集まりで午後から出かける予定があった。
オットも、やっぱり降り出した雨で仕事がダメになり、オフに。日曜に人と会う約束を繰り上げて、この日の午後からの予定に変更していた。
ワタシは遅めに起きて新聞を読みながら「今日の約束、何時ごろ出かけるの?」と聞く。オットは「オレが行くんじゃなくて、来てくれる。あんたが出かけた後ぐらいに」と返事をする。
オットは、天気が悪くて体が痛いせいもあるのだろう。昨日の今日で機嫌もあまり良くない。無口で、ぼんやりと犬にかまっていた。
でも、「その代わり、明日は出かけるかもしれない」と言う。
「え?何の用事で?」そう聞くと、隣町までバイクの部品を買いに行くかもしれない、とのこと。
暖かくなったからバイク熱が再燃したみたいなんだけれど、そうなると新しいパーツが欲しくなったらしい。オットは最近、バイクのサイトはもちろん、オークションでパーツ類も熱心に見ていたし。
でも、そんな余裕があるの
生活費や仕送りも滞っているというのに。そのうち保険金が入るから・・・とは言っていたけど、それも確定じゃない(案の定、しばらくしてから後遺症は現時点では認められないとの結果が出るのだ)。だからつい、
「パーツって、お金はあるの」と聞いてしまう。
「金は、無い」と、オット。
だったら、どこから工面するんだよ、そのパーツ代は。
ここで、大ボケなのがワタシである。
さっき、新聞を読みながらいい加減に話を聞いていたので、オットに約束があるというところをうっかり聞き流していたのだ。
洗面所の片付けをしながら、「で、今日は何時ごろ行くんだっけ?」とまた聞いてしまう。これ、完全にワタシのミス。本当にダメダメである。
オットはムッとした顔で、「だから向こうから着てくれるって言っただろ」
ダメだ。もう怒っている。
しばらくすると、ダンダン大きな足音を立てて2階へ上がり、布団をかぶって寝てしまった。
あーあ。ワタシのバカー。
それから出かける用意をして、オットの部屋まで「じゃあ出かけるから」と言いに行ったが、その瞬間、顔を背けて布団を頭までかぶってしまった。だからそのまま出かけるワタシ。
趣味の集まりはたいへん楽しく、1時間半ほどがあっという間に過ぎていった。
それから、駅へ向かう。
あーーーーーーいやだ。帰りたくない。でも、帰らなきゃ。
とはいえ、家の状況は99.5%ぐらい見えている。おそらくオットは、酒を飲んで寝ているだろう。でも、万が一と言うこともあるので、夕食の材料を買いこんで電車に乗った。
乗る前に、「これから電車に乗るので7時ごろ戻ります。食事は帰ってすぐ食べられるように買い物しました」とメールするが、返事はなし。ま、わかってたけど。
そして帰宅すると、案の定。台所に人の気配がない。
ゴミ箱を見ると、カップ麺の容器と焼き鳥の缶が捨ててある。そして大事に少しだけ食べていたとっておきのソーセージ(150gぐらい残っていた)が、冷蔵庫から無くなっていた。デンプンと肉類だけの高カロリー・高塩分な食事だわっ。
そしてシンクには、使ったコップと自分の箸ではなく割り箸が置いてあった。なんだかこれ見よがしだ。
2階へ上がると、オットの寝室は真っ暗。やっぱり寝ていた。
揺すって声をかけると、面倒くさそうに「飯は食った」とだけ言う。後はいっさい、無視される。
ワタシもそれ以上、話す気にもならなかったので、下へ降りる。散歩へ行った形跡もなかったので犬を連れ出し、帰って餌を食べさせる。そして買ってきた物でざっと支度をして、テレビを見ながら一人で食事を済ませた。
この様子だと、おそらく来客の後すぐに飲み始め、6時半頃にはもう寝てるんじゃないだろうか。
考えようによっちゃ、鬱陶しい顔で待ちかまえていられるより、不貞寝のほうがマシ。だけど、どうしてこれぐらいのことでそんなにふてくされなきゃならないのか。
相も変わらずだけど、オットの急変にはついて行けない。
脆弱すぎるし、幼稚すぎるんだよね。
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