そんなおり、入院していた知人Bが退院。
さっそくオットに電話がかかり、会いに出たよう。入院中だって、しょっちゅう会いに行ってたんだけどね。
この日はオットが出かけたあとに、ワタシは趣味の習い事へ行った。終わって携帯を見ると、オットからメールが入っている。午後7時ごろの受信だった。開いてみると、「犬が革ジャンに小便を引っかけたので腹が立つ」と書いてあった。
とたんに気が重くなる。
そして午後8時20分ごろ家に戻ると、オットは台所のテーブルに突っ伏していた。かたわらには革ジャンが置いてある。一昨年、物欲大魔王になっていた際に、次から次から買ってきたものの一着だ。
袖のところが濡れていたので、「ここにかけられたの?」と聞く。オットは「水洗いした」とだけ行って、また突っ伏す。
あとは何を聞いても答えず。
「ご飯はどうするの?汚れたんなら先にお風呂へ入ったら?浸かるだけでも」
そう聞いても、突っ伏したまま「いらん」と言うだけ。
だから、とりあえず風呂を掃除する。そしていつも溜めている酸性水を取りに戻ると、容器がカラになっていた。ということは・・・オットが風呂を洗って入れていたに違いない。
それを抜いて、またワタシが掃除し直したわけだ。風呂場は台所の横にあるんだから、一言「もう掃除した」と言ってくれればいいいものを。でもそんなことをこの状況で言うと、キレると思ったから黙っておく。
しかも、ワタシが風呂場にいる間の10分ほどで、オットはテーブルから床に移動していた。ストーブの前でごろ寝している。
ため息が出てくるのを堪えて、何度か揺すったけれど起きず。問いかけに返事もしない。
これ以上揺すって、またこの間みたいに逆上されても困るので、放って2階へ上がった。今のところ食事は要らないみたいだし、用意してもムダになるから残っていた仕事を片付けよう。そうこうするうち、オットが起きてタバコを吸う気配がした。今日は深夜に至らず、1時間ほどのごろ寝で済んだようだな。
そこで1階へ下りて「起きた?革ジャンは明日クリーニングへ持って行くから。ご飯はどうする?」
そう聞くと
「お前は食うことしか考えないのかよ」
こういう言われ方をすると、ワタシもむかつく
どうも飲んでいるような気配だから、食べなきゃ体に良くないと思ったからなのに。しかしオットは、眉間に深い縦じわを寄せた不機嫌200%の顔でイスに座り、タバコをふかしている。
ワタシももう構わず、犬のご飯を用意して食べさせ、台所を片付ける。そして自分の食事を用意し始めた。オットは何も言わずに立ち上がり、風呂には入らず歯だけ磨いて寝室へ上がっていった。
この日は昼寝もしてたようだけど、午後11時には就寝。それまでにも突っ伏してたし、また過眠状態。
そして、瞬時に激落ちである。
ちょっと前に
「半月ほど、いくら寝ても寝たりない気がしていたが、このごろはまた早く目が覚める」
って言ってたけれど、睡眠のバランスが崩れまくっている。そんな状態で、犬のことがトリガーになったようだ。知人の退院も遠因にはなっているとは思うが。
上がり下がりの波に飲みこまれ、自分の感情をコントロールできないオット。こんなオットを見ていると、鬱陶しいのと哀れな気持ちが同時に押し寄せる。しかし、それに巻き込まれるのはもうお腹いっぱいだ。
先日、ワタシが趣味仲間と遊びに出かけたとき、ハハが「あんたはそうやって好きなことをして、気分転換を自分でしているからいいね」と、ねぎらいのような言葉をかけてきた。そのときは「だって、調子の悪いときの罵声にいちいち付き合ってたら体が保たないよ」と答えたんだけれど、出かけてその時は楽しくても、心の底には澱のようなものが溜まっている。今は機嫌が良くても、いつまた落ちるかしれない、と。
それが的中したらやっぱり堪えるので、いつまで経っても爽快!雲一つない青空気分にはなれない。
こういう日は、ブクブクと風呂に顔まで浸かりながら、どんよりした気分まで洗い流せたらどんなにいいだろうと思うね。