次の日。
オットは散歩を済ませ、どこかへ出て行った。
しばらくして戻ってきたが、どうやら近所の自転車屋と整骨院へ行ったらしい。
「いい自転車があったが高い
とか言っていた。
ワタシは「昨日の仕事がきつかったから腰が痛い ワタシも整骨院へ行ってこよう」と話す。

この日、ワタシは3時からカウンセリングの予定だった。だから台所で漫画を読んでいたオットを残し、支度して出かける。メンクリでは「その後どうですか?」と聞かれたので
「相変わらずです。やっぱり距離を置きたいことには変わりません。このごろ毎日のように床に寝っ転がって起きないので、それを何度も起こしたり、見ているのも辛いです」と話す。
そして「オットは出会い系には懲りたけれど、風俗通いはしたいらしいです。だったら好きにすればいい、そんな人とは他人のほうが気がラクです」とも話す。
先生は「患者さんは辛いけれど、家族だってしんどい思いをしているからね。よく家族の協力が必要だって言うけれど、家族だって同じように苦しんでいるんだから、一方的に家族の協力ばかり言うのはかわいそうだと僕は思うんです」と言ってくださる。
ああ、いいドクターだわ。そして言いたいことがあれば、あまり溜め込まず言ったほうが良いとも。
「でも、ご主人は奥さんのことをとても頼っているし、他人から奥さんのことを褒められると嬉しいと思いますよ。だから今度来られたときは、奥さんのことを良く言っておきますよ
それで意識が変われば、これまたビミョーな気分だけれど・・・。でも、ワタシ自身は愚痴を聞いてもらい、すっきりしたつもりだった。

それから整骨院へ行ってマッサージとホットパックをしてもらい、「かなりひどく凝っているので、たびたび来てください。今は炎症を起こしているから、あまり無理して動かさないほうが良い」と言われて帰宅
やっぱ疲れてるよな。

が・・・・鍵が閉まっていた。

今日は誰かが家にいるだろうと、私は鍵を持って出なかった
ハハはワタシが出て行ったのは知っているけれど、オットが居るから、おそらく先に出かけたんだろう。その後、オットが鍵を閉めて出て行ったに違いない。
くっそー
オットに電話をしたが、出ない。
家の中のほうでブーブー音がしたから、おそらく充電中なんだろう。
ああ、ついてない
とはいえ、ハハが行った先はだいたい想像がついたので、近所の目指す場所へ行くと居た。ラッキー。鍵を借りて戻り、開けようとすると開いている。
つまり、オットは戻っていた

「どこへ行ってたのよ
「自転車屋」
「自転車屋って、昼間行ったんじゃないの?」
「昼間はオーナーが居なくて、夕方に戻るって聞いたから行ってたんだよ。第一、どうしてお前は鍵を持って出ないんだよ
「あんたが居たからよ。オーナーが居なかったからまた行くなんて聞いてないし、ずっと居ると思ってたから鍵を持って出なかったんじゃない」
「メンクリへ行くと言って出て行ったのに、いつまで経っても帰ってこないから出かけたんだよ。鍵ぐらい、いつも持って歩けよ
「ワタシも整骨院へ行くって言ったでしょ。あーわかりましたよ。鍵を持って出なかったワタシがバカでした。はいはい、ワタシが大馬鹿者でしたっ

確かに、鍵を持って出なかったワタシにも落ち度はある。
だけどオットはたいてい、何も言わずに出て行ってしまうので、出かけたいことがあっても犬のことが気がかりで留守番することがよくあるワタシ。
これが逆ギレ気味なこともわかってはいたけれど、ついついキレてしまう。

そんなワタシの反応で、オットもむかついたようだ。
部屋の空気、一気に真っ暗。

この日はいい加減なものを作って食卓に並べたけれど、オットはほとんど食べず、どんよりと寝てしまった。
ワタシも言いたいことを言ってすっきりとは行かず、後味の悪い思いだけが残った


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