先走って義母に電話してしまったことに後悔しながら、とりあえずメッセージを見て安心した。

それが、たった一行でも

へなへなと、体から力が抜けていくのがわかる。
少しだけ期待しながら折り返しケータイに電話したけれど、それはつながらなかった。やっぱり

昼過ぎ、オットの仕事の用事で電話がかかってきていたので、また電話を入れる。もちろん、つながらない。だからメールをしておいた。

それから夕方になり、何かの約束の時間が来た(たぶん)のでメールを入れる。けれども先方から問い合わせの電話は入ってこなかったので、たぶん自分で処理したのだろう。

次いで、もう一通メールを送った。
時は冷え込みが厳しい2月の節分。陽が落ちるのも早い。
「今夜からまた冷えこむようです。車で寝てるならすごく寒いと思います。明日は趣味へ行くなら暖かい服もいるだろうし、今着ているものの着替えも必要だろうし携帯の電池も切れかけていると思うので、とりあえず帰ってきてください。なんにも言いませんから。今日は節分なので巻寿司と鰯と豆を用意して待っています。もし帰ってきて寝室で寝るのがいやなら、私は別の部屋で寝ますから、とにかく一度戻ってきてください」


送ってすぐは、反応がなかった。
やっぱり、ダメか・・・

そう思いかけたころ、電話が鳴った
心臓が口から飛び出そうなぐらいびっくりしたけれど、ナンバーを見るとオットである。もう、受話器に飛びつくように出た。
「もしもし、どこにいるの?!」
「・・・・・」
「早く帰ってきて。待ってるから」
「・・・オレだって帰りたいよ。だけど、帰れない」
「どうして帰れないの。心配してるんだから、みんな待ってるから」
「・・・・・帰りたいよう。だけど、帰れない」
あとは、すすり泣く声が聞こえるばかりだ。
同じやりとりを繰り返し、ワタシも涙声になってきた。
「お願い。とにかく帰ってきて」
・・・・・うん


それから2時間後。
ようやく車のエンジンの音が聞こえた。

出迎えると、わずか2日でげっそりやつれたオットの姿があった