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 合体が完了して正面を向いたタケルは、マーグの機体を見ると驚いて言った。
 「ゴッドマーズなのか!?」
 「そうだ! 貴様が乗ってるような急ごしらえではなく、父イデアが本当に作りたかったゴッドマーズだ!」
 マーグが勝ち誇ったように言った。
 「ゴッド・ファイヤー!」
 と、タケルは光るGマークを放った。しかしそれはマーグのゴッドマーズに到達しただけで消滅して行ってしまうのだ。
 「あ、ゴッド・ファイヤーが効かない!」
 焦る様子がマーグにはよく分かった。マーグのゴッドマーズは勢いに乗ってタケルのゴッドマーズを殴り始めた。
 「く、くそーっ!」
 「フフフ、旧式の超能力増幅器では負担が大きい。いつまで持ち堪える事が出来る!」
 タケルは初めて敗北を感じ始めていた。しかしその絶望的なタケルの耳元で励ます声がある。
 〈タケル。お前は地球と宇宙を結ぶ絆だ! 生きろ! 生き抜くんだ!〉
 それはタケルを育てた明神博士の声だった。タケルの衰え始めた気力に最後の活力が生まれて来る。
 「マーズ・フラッシュ!」
 腹部のバックルのMの字から光る粒子が噴き出して、空中に剣を蒸着して形作り、ゴッドマーズの手がその柄を掴んだ。そしてマーグのゴッドマーズの肩口に振り下ろしたが、そこまでが限界だった。ゴッドマーズの動きが止まった。マーグ機の手が剣の刃をどけると、マーグは勝ち誇って叫んだ。
 「見たぞ! ゴッドマーズの弱点!」
 マーグのゴッドマーズは撤退して機動要塞に帰還し、機動要塞は飛び去った。
 そして動きを止めたゴッドマーズの両腕が、付け根から外れて落ちた。コクピットのタケルは超能力を使い果たして、もはや意識を殆ど失って気絶に近い状態であった。

 

 六神合体ゴッドマーズは、ぼくが小学4年から5年の時に放送されてましたけど、超合金もプラモデルもガシャポンも、アニメとはデザインも動き方も違っていたので勝手にデザインし直して設計図を描きました。

 スフィンクスの肩にゴッドマーズの肩と同じ模様を付けて、合体時に90度回転するようにして、

 ウラヌスとタイタンの脚は、脛と足が一体化していて爪先が無い、ただの四角柱にするなど、妥協をしました。

 

 高校2年の時にビデオが売り出されましたけど、ガイヤーもゴッドマーズもデザインが変わっていて、合体シーンが無かったので、勝手に膝から下を切り離して、ゴールドライタンに出るタイムライタンから頭部の蓋を外したのと同じ変形をさせる絵を描きました。

 

 ゴッドマーズとは無関係ですが、高校時代はガンダムのパクリみたいな漫画を描いていて、学校で生物学を習っていましたから、ロボットの整備シーンや撃墜シーンで、ムーバブル・フレームを、骨みたいな形に描いてました。

 

 超合金魂が売り出された時に、テレビ版の方のゴッドマーズの設計図を、ウラヌスとタイタンの足が合体時に脛の中に引っ込むようにして、描き直しました。

 

 現在、リサイクル店で働いてますけど、今年の春頃、スーパーロボット大戦Dというゲームの攻略本が会社に来ました。そのゲームの中では、マーグがビデオ版のゴッドマーズに乗って、タケルが乗ってるテレビ版のゴッドマーズと共闘しますので、ビデオ版ゴッドマーズの合体シーンを考えました。

 脚ロボットの変形は、高校の時に既に考えてますけど、

 腕ロボットの下半身は、タイムライタンの両脛に、分割された手を入れて、手の甲当てが起き上がって爪先になるようにして、上半身はブライガーみたいに胸パーツの上で腕を折り畳んで、背中に貼り付いてるパーツが胸パーツの上に来るようにして、

 胴体ロボットは、スフィンクスを前後逆にして、ゴッドマーズの肩が起き上がって胴体ロボットの肩当てになって、中から腕が出るようにしました。

 

 イデアが五神ロボを合体するように改造する場面は、書くのが凄く難しかったんですけど、ガンダムもどきの漫画を描いてた時の経験から、ムーバブル・フレームを組み込んだら、最小限の改造だけで合体可能に出来るようになりました。

 そして夏の終わり頃に、この全26話の二次創作を書き始めました。