実在しない空想の粒子について, 知ってるだけ書いておきます.

グラヴィトン(graviton)とは, 重力子の事です. 実際の重力は空間の歪みですからグラヴィトンなどという粒子は存在しません. 空間の歪みの変化を重力波といい, それは光速で伝わってしかも物体を透過しますので, 重力波を検出したり発信出来れば地球の裏側と直接通信が出来ます.

エラフリオン(elaphryon)とは, ギリシャ語のelaphros(軽い)が語源です. 昔読んだSF小説にエラフリオン・クラフトという, 反重力粒子を利用した乗り物が出て来ました. ぼく自身は, 重力レンズを扱うために, ブラックホールの近くで重力レンズ効果を無視して直進するという架空の粒子として採用しました. 実際には光が重力によって曲げられる訳ではなく, 重力で歪められた空間の中で光が直進して結果, 曲がったように見える訳ですから, エラフリオンなどという粒子は実在しません.

オーシオン(orthyon)とは, プリズムの中で屈折 せずに直進する架空の粒子です. 語源はギリシャ語のorthos「真っ直ぐ」です.

タキオン(tachyon)とは, ギリシャ語で「早い」という意味の単語tachosを語源とした粒子です. 1967年, ジェラルド・ファインバーグが特殊相対性理論を拡張して提唱しました. 光速は有限ですので, マンガを描く際, 時々不便です. そこでぼく自身は, 作品中ではあるSF作家に倣って, 光は空間を伝わる横波であって秒速299792.458キロメートルで伝わるが, タキオンは縦波であって秒速zillion光年で伝わるという設定にしています. 光行差 を無視する時に使います. ちなみに地震の縦波は横波の1.7倍程の速さで伝わります.

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