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 ある夜、天文学者のアルベルシアノは、プレイアデス星団が赤くなったのではなく、その方向から赤い彗星が接近して来ているという事に気が付いた。そして言った。「あれは火の赤さではない。血の赤さだ。自然では有り得ないスペクトルだ。人工の天体かも知れないが、あれ程巨大な物体は、地球上の技術では到底作る事が出来ない」


 翌朝、セレニタは洗濯をした。それから「レナクァホー!」と叫んで崖から跳び降りた。するとレナクァホが飛んで来てハッチを開いて、彼の下で減速した。そしてセレニタは操縦席の中に着地すると「ラナー!」と叫んだ。するとレナクァホはウエボに変形して、ブストとガルバニと合体してラナになった。セレニタはラナに綾取りをさせた。そしてラナのハッチが開くと、操縦席 が迫り出して吊り下がり始めた。セレニタは椅子から跳び降りて着地すると、吊り下がって来た操縦席の下敷きになった。彼は椅子の下から這い出して、洗濯物を干した。その時空中に巨大な貝 が現れた。貝は空中を浮遊しながら、家や車や、その他の物の上に、水を吹き出し始めた。その時セレニタが操縦席に戻り、操縦室が吊り上がって、ラナの胴の中に引っ込むと、ハッチが閉じた。カエサルが「あの貝はトリトンだ。我々が畑に水を撒くために開発したロボットだ。あの殻は固いので中身を攻撃しないと駄目だ」と言った。セレニタが「バルカァーン!」と叫んで、ラナがバルカン砲を撃つと、同時にトリトンは殻を閉じて、全くびくともしなかった。トリトンは殻を開いてラナに水をかけ始めた。ラナは走って逃げると洗濯物を、離れた場所の岩の上に置いてから振り返った。そしてセレニタが「ヒート・サーブル!」と叫んで、ラナがエクステンドを取り出してそれがヒート・サーブルに変形すると、トリトンに跳びかかって切ろうとしたが、トリトンは殻を閉じた。そしてトリトンは再び殻を開いてラナに水をかけようとした。ラナはまた走って逃げると、ジャンプしてトリトンの上に乗った。そしてセレニタは「フルーレ!」と叫んだ。すると、ヒート・サーブルの刃が冷えて、先端の穴から陽電子を噴き出し始めて、光の塊を形成して、ポジトロン・フルーレになった。それはヒート・サーブルのような、ただの熱い棒とは違って、陽電子が対象物の融点とは無関係に、対消滅を起こしてエネルギーに変わるので、ヒート・サーブル以上の威力があった。ラナはポジトロン・フルーレを槍のようにトリトンに突き刺して穴を開けて、別の場所にも刺して穴を開けた。するとカエサルが「点よりも線だ」と言ったので、ラナはポジトロン・フルーレを突き刺したままで歩いて、トリトンの殻を切り始めた。するとトリトンが宙返りをしたので、ラナは地上に落ちた。その時、ポジトロン・フルーレが無くなったので、セレニタは「レッキング・ガン!」と叫んだ。するとラナが口を開いて、舌がTの字のステムの先端に、棘付き鉄球を付けたような物体を持って出て、ラナがTの字の、片方のアームを掴んだ。ラナが掴んだアームはグリップであり、もう片方のアームは照準器であった。レッキング・ガンのの鉄球は、18個の球面正方形と、8個の球面正三角形から出来ていた。一辺の長さは41度52分55.34秒であり、球面正方形の角は98度25分15.82秒であり、球面正三角形の角は64度44分12.57秒であった。そして、それが斜方立方八面体であった場合に頂点となる部分に23個の棘と、Tの字のステムが付いていた。そして正方形の中心となる部分には18個のロケットが付いていて、正三角形の中心となる部分に8個のカメラが付いていた。それはカメラが敵を見つけた時に、敵と反対側のロケットを噴射させて、敵目掛けて飛ぶ仕組みであった。ラナはトリトンに照準を合わせて、レッキング・ガンを撃った。すると鉄球が、Tの字から外れて、接合部から鎖を出しながら、ロケットを噴射してトリトン目掛けて飛んで全速力で当たった。しかしトリトンにはダメージが無かった。その時ネヌファルが飛んで来て、トリトンに突っ込んだ。トリトンは急いで殻を閉じようとしたが、ネヌファルが殻に挟まった。そしてエンディミオンが「ネヌファルごと撃て! あの赤い彗星は進路上の星をことごとく征服していたんだ! 9年前にも我々の故郷のプレイアデス星団を滅ぼし、そして今も地球を侵略しようとしている!」と叫ぶとネヌファルから跳び降りた。そしてセレニタはラナに、ネヌファルをポジトロン・ビーム・ライフルで撃たせた。するとネヌファルが爆発し、トリトンは燃え上がって地上に落ちた。

 カエサルは「敵が強くなっているようだ。ラナをもっと武装させた方が良い」と言った。そこでセレニタは、ラナ用の鎧の設計図を描いた。するとカエサルが「胴鎧のデザイン が難し過ぎて、強度が心配だ」と言った。そしてセレニタは、胴鎧をデザインし直して、それらを作った。その鎧は、オレンジのパーツと、白いパーツと、白と黒の縞模様のパーツがあったので、カエサルは、完成した鎧を見て「まるでカブトシロアゴガエルみたいだな」と言った。

 

 ポジトロン・フルーレは、ゴッドマーズの、謎の武器がモデルです。放映当時に売ってた本には、7話でコールガッチを倒す時に、光るハンマーで叩き壊したと書いてあったので、ぼく自身は、その武器を見た事が無かったけど、勝手に想像で、真似をして書きました。後に、DVDを買った時は、7話でも、普段通りに、マーズフラッシュという剣を使ってましたけど、剣の先が光を反射して光っている絵でしたので、ファンでもない会社員が、やっつけ仕事でアニメを見て本を書いたという事で、納得しました。日本語の漫画では、この回でエンディミオンが爆死してしまうにも関わらず、なぜかこの後も生きてて登場します。それで英訳する際に、「ネヌファルから跳び降りた」という文を付け加えました。この回の最後の、ラナの鎧は、日本語の漫画には出ません。フルアーマーガンダムの真似をして書き足しました。最初に描いた鎧のデザインは、ゴッドマーズがモデルでしたけど、形が複雑で、部品の数も多過ぎましたので、部品の数を減らしてデザインし直しましたけど、その時、カエルの図鑑で、鎧に似た姿のカエルを探して、カブトシロアゴガエルを見つけて、それをモデルにしました。