◎国の施策の方向性に対する考えについて
【問】
 26年度予算について、政府は、消費税については留意しつつ、景気回復を見込み好循環が実現しているとし、編成された予算は過去最大である95兆8,823億円となるようである。
 それに対し民主党は、財政再建を無視した予算であるとし、補正予算と合計すれば101兆円超となるとの発言や、予算編成、税制改正全般において、大企業に優しく家計に厳しい内容となっており、国民生活や経済にとっても悪影響が懸念されるとコメントしているところである。
市長は、規模は違うものの、総理と同じ行政のトップとして御苦労など共感できる立場であると思うが、今回の政府の予算案についての御所見をお伺いしたい。
【答】
経済の好循環実現によるデフレ脱却、経済の再生と財政の健全化の両立を目指すという国の予算の考え方は、私が標榜する攻めのまちづくりに通じるものであり、その点では評価できるものと考えている。


◎今年度予算の狙いについて
【問】
平成26年度は、八王子ビジョン2022の初年度の実行計画であり、先ほど市長より、今後まちの発展と豊かな市民生活の実現に向け、アクションプランに掲げた5つの重点項目を中心に攻めのまちづくりを展開するとしているが、本市の平成26年度予算の狙いとは何かお伺いします。
【答】
八王子ビジョン2022の都市像の実現に向けた効果的な施策を展開するため、計画初年度となるアクションプランに掲げた全ての事業を予算化したところであります。また、事業構築に当たっては、人員配置と事業費を合わせた効果検証を行うなど、最少の経費で最大の効果を発揮できるよう取り組んだところであります。


◎歳入
1.個人市民税及び法人税の見通しについて
【問】
 本年2月に内閣府が発表した月例経済報告でも、サブタイトルとして、景気は、緩やかに回復しているとし、総論では、個人消費は一部に消費税率引き上げに伴う駆け込み需要も見られ、増加、設備投資の持ち直し、生産の緩やかな増加、企業収益の改善、雇用の改善、物価の緩やかな上昇と判断されています。しかし、この中に個人消費や住宅建設は消費税率引き上げによる駆け込み需要も原因の1つであると書いております。本市の補正予算書を見てみますと、平成25年度の市税収入、いわゆる個人市民税や法人市民税のマイナス補正を余儀なくされている。
 そこで、新年度予算書に掲載されてある個人市民税や法人市民税の各項の今後の見通しに対するお考えをお聞きしたい。

【答】
個人市民税にあっては、平成25年中の収入がベースであり、個人所得の伸びには至っていないとし、見積もったところであります。一方、法人市民税においては、大半を占めている市内大企業において、経済指標及び経済見通しが上向いていることや、消費税引き上げの影響に対する政府の経済対策もなされたことを踏まえ、増額の予算を見積もったものであります。


◎「みんなで担う公共と協働のまち」
1. 町会・自治会支援について
【問】
現在八王子市に登録されている町会・自治会数は564団体(平成25年6月現在)あり、市長は就任以来、地域コミュニティの核となる町会・自治会に対し、町会・自治会加入促進ハンドブックを作成するなどし、会員の確保について取り組んでいただきました。今回も新たな政策を掲げ、市長の考える人と人との支え合い、つながりを深めるため、町会・自治会に対しでき得る支援をお示しいただいている。
 そこで、町会・自治会に対する支援をどのようなまちづくりにつなげていくつもりなのかお伺いしたい。
【答】
町会・自治会は、人と人との支え合いやきずなづくりを通じて、地域の課題解決に取り組んでおります。その活動を支援し活性化を図っていくことで本市が誇る市民力をさらに高め、地域住民みずからが行う地域の実情に即した住みよいまちづくりにつなげていきたいと考えております。


◎「健康で笑顔あふれる、ふれあい、支えあいのまち」
1. 男女共同参画について
【問】
 男女雇用機会均等法が1986年施行されてから28年が過ぎ、女性の社会進出は以前より進んだものの、個々の企業においては男女労働者間の格差が生じている状況は解消されていないのが実態である。
 本市においても、男女労働者間の格差の解消や、女性の能力発揮を図る取り組みをすること、少子・高齢化の進展への対応など、男女共同参画社会の推進の必要性の意義は一段と高いと思われる。
 そこで、石森市長が考える男女共同参画への思いをプランに基づきながら政策を実行し、理想とする男女共同参画社会をつくり上げていく決意を伺いたい。
【答】
我が国においては、女性の活躍を日本経済の再生に向けた日本再生戦略の中核に位置づけております。本市においても、女性がさまざまな分野でその能力を発揮することは活力あるまちづくりにつながるものであります。女性がその能力を十分に生かせる環境づくりを図り、男女共同参画社会の実現に向けて取り組んでまいります。

2.食育推進について
【問】
国の第2次食育推進基本計画に基づき、本市においても食育推進計画があり、この計画も国の計画と同じ27年までの計画であり、本市は健康フェスタやさまざまな取り組みを行っております。
 本市の食育推進計画は23年から27年ですので、3ヵ年が過ぎ、食育についての進捗状況が見えてきていると考える。そこで、今後の食育の推進や地産地消などの食の大切さを市民にどのように広めていくのか、また、さらにパワーアップした新たな計画作成など、どのような思いで挑むのか伺いたい。
【答】
本市の食育推進計画も3年が経過し、食育サポーターやヘルシーメニューなどの取り組みも進んできております。今後も食に関する関係団体などの協力を得ながら、地産地消を推進し、食育フェスタや市民食育講座などを通して、わかりやすく市民に食育を広げてまいります。


◎「活き活きと子どもたちが育ち、学びが豊かな心を育むまち」
1.スポーツ施設の整備
【問】
 我が国の公共施設は、高度経済成長期に集中的に整備したものが多く、老朽化による補修や建て替え、再編などが喫緊の課題となっております。本市のスポーツ施設も例外ではなく、老朽化の著しいものが目立つものもございます。近年では、オリンピック東京開催も決定し、スポーツの機運が今まで以上に高まっており、スポーツ施設の整備は大変に重要な課題であります。そこで、計画的に補修や改修を行うには、整備計画の策定が必要であると思いますが、市長のお考えをお聞かせください。
【答】
スポーツ振興のためには、その活動の場となる施設の計画的な整備、補修を行っていくことが大変重要であると考えております。施設の適正なマネジメントについては、スポーツ施設だけでなく、市全体の課題でもありますので、庁内横断的に全体の施設マネジメントについて検討をさせております。


◎「安心・快適で、地域の多様性を活かしたまち」
1.八王子市生活の安全・安心に関する条例について
【問】
 昨年1年間の身近な犯罪の発生件数は6,100件と、ピークであった平成12年中と比較して半減に近い状況であり、我々市民にとっては安全・安心を感じる一つの指数であります。しかし、昨年発表された市政世論調査における市政への重点施策の要望では、高齢者福祉、保健、医療などに続く第4位となっており、市民の防犯への関心が非常に高いことをあらわす結果となっております。
 その1つとして、中心市街地の客引きやつきまといの存在も考えられる1つであります。この客引きへの対策については、生活の安全・安心に関する条例の新たな仕組みとして、この条例は中心市街地のみならず、市内各地域における犯罪の未然防止と市民の安全に関する意識の高揚を目的とし、市、市民、事業者、土地、建物の所有者に対し、それぞれの責務が規定され、各種対策や支援が行われております。
 しかし、市民の防犯面での不安要素を少しでも取り除くためには、26年度予算で掲げられている事業の推進や新たな仕組みも含め、より積極的で広範な対策を講じなければならないと考えます。
 そこで、今後の本条例の運用や対策について、期待する効果や目指す姿についてお伺いいたします。
【答】
防犯対策は警察の検挙、指導だけに頼るものではなく、市と市民の協働による予防対策も大切な役割であると認識をしております。今後も各種対策を通じて、両者が機能的に連携する中での相乗効果を期待するとともに、市民の皆様が日常生活で感じる安全・安心の感覚である体感治安を向上させていくことで、本市の基本計画、八王子ビジョン2022にも掲げております安心して暮らしていける活力ある魅力あふれるまちづくりにつなげていく考えであります。

2.災害時における自衛隊との連携について
【問】
本市は東日本大震災や、平成20年に大きな被害を受けたゲリラ豪雨の対応などを盛り込んだ地域防災計画の見直しを行い、配付された八王子市地域防災計画概要版によりますと、北野下水処理場に隣接している高度処理施設用地は多目的防災拠点として計画に位置づけられ、災害時にはヘリコプターの臨時離着陸場としても活用され、自衛隊の活動拠点としても位置づけられております。
 そこで、自衛隊との連携に関して伺います。東日本大震災の際は、発災直後から自衛隊が人命救助や情報収集、瓦れきの撤去など、任務として被災地に入り、昼夜を問わず活動を行いました。首都直下型地震発生の切迫性が危惧されている現状で、自衛隊が持つ人、技術、装備は大きな力となることから、今回地域防災計画でも自衛隊の活動拠点をあらかじめ決めておき、受け入れ体制の整備を図ったものであると考えます。もし本市に大地震などの大規模災害が発生した場合、住民の救助救出、物資輸送など、迅速に自衛隊の派遣を要請し、市をはじめ警察や消防と連携をしながら対応をとるべきであります。
 そこで、市長は日ごろから自衛隊とどのような連携を持ち、災害時にはどのような基準で派遣要請を行うことと考えているのかお聞きします。
【答】
自衛隊との連携についてでありますが、毎年総合防災訓練への参加や、地域防災計画修正の際にも意見をいただいているほか、定期的に連絡をとり情報交換を行っているところであり、今後も引き続き連携強化を図ってまいります。
 また、自衛隊の派遣要請についてでありますが、本市や東京都の対応能力を超える大規模災害が発生した場合において、人命や財産を守るといった公共性、状況が差し迫っている緊急性、自衛隊を要請する以外の手段がないといった3つの要件を総合的に判断し、人命救助を最優先として迅速に派遣要請を行ってまいります。

3.想定外に対する備えについて
【問】
 今回の大雪は、過去にも例を見ないほどの積雪となり、八王子市での積雪は過去最高だと聞いております。市は早期に雪害対策本部を立ち上げ、対応を行ってまいりました。今回の大雪の対応の中では、道路の除雪、市民への情報提供、市民が利用する施設の復旧など、さまざまな業務に追われたことと思います。今般の記録的な大雪をはじめ、今後ますますふえていくと思われる異常気象に関し、もはや想定外の出来事では済まされず、市はさまざまな事態を想定した対策をとっておく必要があると思うがどう考えるか。
【答】
異常気象を想定した対策についての御質問ですが、市民生活の安全・安心を確保することは市の責務であり、今回の大雪対応においても、一日でも早く市民生活を平常に戻すことを最優先として、主に幹線道路等の除雪を中心とした対応を行ってまいりました。今後、今回の大雪対応の総括と検証を行うとともに、あらゆる災害から市民の生命、財産を守るため、今般見直した地域防災計画に掲げた施策を着実に推進するよう全力で災害対策に取り組んでまいります。


◎「魅力あふれる産業でにぎわう活力あるまち」
1.農業被害に対する支援について
【問】
 先日の大雪により、八王子市内の農業被害(JA八王子調べ、3月5日判明分)は、大和田地区、椚田地区、加住地区、川口地区、由木地区、元八王子地区のパイプハウスの全壊面積は1万4,479平方メートル、119棟が倒壊、酪農では育成牛1頭死亡、子牛1頭死亡、機械庫1件、牛舎屋根落下6件、堆肥舎屋根崩壊1件、堆肥舎破損1件、鶏舎2棟全壊、鳥死亡と報告を受けております。これら被害に対し、国や都がパイプハウスなどに支援を考えており、今後の支援がどのぐらいになるのか気になるところであります。今回の雪害に見舞われた農家は、国や都の支援のほかは、現状ではその農業で稼いだ金で補うしかありません。
 さて、全国の農家の平均所得は、平成20年よりも24年の所得が上がっておるとはいえ厳しい状況であり、販売農家総所得は476万円、そのうち農業所得は135万円、主業農家総所得は631万円、そのうち農業所得は502万円となっております。
 そこで市長にお伺いいたします。本市の農業は都内随一のものですので、国や都に加え、本市も支援の御決断をするべきであると思いますが、考えをお聞かせください。
【答】
農業被害に対する市としての支援策についての考え方でありますが、国が大雪による被害農家への支援対策を発表し、それを受けた東京都も、広域行政の観点から、現在支援策を検討しておりますので、こうした動向を踏まえ、被害を受けた農家に対して支援策を検討するとともに、国に対しても市長会を通じて支援策の拡充を要望したところであります。


◎「一人ひとりが育てる、人と自然が豊かにつながるまち」
1.緑地の定義について
【問】
八王子市の考える緑とは、八王子市みどりの基本計画では、森林、農地、河川などの水面、公園など、緑被地などの自然的空間を総称した言葉としております。東京都はこれら緑の確保に対し方針を出し、減少する既存の緑を守るため、まちづくりの取り組みの1つとして施策に取り組んでおります。しかし、本市の緑被率は市の面積の61%を占めておりますが、本市の緑も他市同様、市街地開発の進展や緑の管理が行き届かないこともあり荒廃も進んでおります。市長は、この八王子の緑が減少している現状についてどのように感じているのかお聞きいたします。
【答】
緑の減少についてどのような考え方をしているかとの御質問でありますが、緑はさまざまな要素と多面的な機能を有する市民の貴重な財産であると考えております。個々の緑の減少の理由はさまざまでありますが、本市の豊かな緑をできるだけ後世に引き継いでいくことが我々にとっても大変重要であると考えております。

2.緑地の保全について
【問】
本市の地域別公園・広場面積を見ますと、東部地域の面積に比べ中央地域の面積は8分の1程度であり、公園という緑の格差には大変な開きがございます。会派要望でもお願いはしておりますが、市街地の緑を効果的に配慮することとお伝えしております。市街地に公園等大きな空き地を探すのは、土地所有者との合意も必要であります。長い時間が必要になると思います。しかし、何らかの対策は必要であります。そこで、市街地の緑の確保について決意をお伺いする。
【答】
市街地の緑の確保につきましては、既にある緑地等をそのまま確保し残していくというやり方だけでなく、新たに緑を創出する手法も重要であり、特に市街地においては、この緑の創出が果たす役割は大きいものがあります。今後市民や事業者と協働しながら、さまざまな手法を用い、市街地の緑の創出に努めてまいります。