大堂合宿 | tadatchのアウトドア日記

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~t.a.d.a.factory~ tadatchによる、クライミング、トレイルラン、登山、旅の記憶を記すブログです。ぼちぼちいきましょう。

未登のボルダーを登ることや、トラッドスタイルでのクライミングは、一言で言うと自由なクライミングが楽しめるわけで、クライミングが自己表現であるとしたら、極めて独創性に跳んだ表現であると思う。だから、やめられない。
先日、年末年始に引き続き、某レジェンドクライマー○暴氏(実際は堅気の気の良い紳士です)のお誘いをいただき、大堂合宿第二弾へ参加してきた。
今回は、相方のクライミング中毒者yamayaとタッグを組んでの参加。○暴夫妻やジャミング紳士カップル、たくさんの九州勢と、大盛り上がりな夜も交えつつ、クライミングはそれぞれが別々のエリアへ散り散りになって、目標とする既存ルートや未踏のルートに挑み、それぞれに成果をあげることができた様子。自分も、ギリギリ滑り込みセーフでなんとかラッキークライマーなれ、充実した日々を送れたと思う。仲間に感謝、自然に感謝。
貴重な休日と天気とパートナー問題、全てが幸運に恵まれることが稀な今シーズンだが、なんとかそれなりに登れているのかなとも思う。しかし、それなりで満足していては成長はない、より高みを目指したいものだ。

初日
yamayaが、大ルーフダイレクトを登りたいとのこと、最近ろくに山も歩いていないので、アプローチが近いという自分にとっても好都合なエリアということで、ハーバーエリアで了承。自分は、いい加減登らなければならない大ルーフパート目標で挑むものの、結果、なまったジャム筋が悲鳴をあげ、即刻敗退。数日前まで、1年ぶりに勃発したぎっくり腰でほとんど登れれなかったのと、故障明けだからというのを言い訳にしておこう。とりあえずyamayaにジャミング懸垂機のオーダーを入れた次第です。一方yamayaは、研ぎ澄まされたムーブをつなげ難なく下部は突破、技術的、精神的に難易度の高い大ルーフダイレクトを完登!!!この方、クライミングにかける思いは半端なし。夜は、沢山の仲間のおかげで大盛り上がり、楽しく過ごすことができ感謝感謝。




二日目
初日の数トライで体がほぼ終わったようで、この日は少し緩めにいかざるを得ない、ということで、最果てエリアと超最果てエリアの間の、砂州というかなんというかはわからないけど、突き出た島の南面へ懸垂アプローチ。砂岩と土混じりのガレ場を下りてくのであるが、これが最もリスキーだったに違いない!!



ここは、yamayaがソロで探索中のエリア、今回のお目当は、このキレキレの細いやつ!



本日は、先行して、自分がyamayaの既登ラインを登ることに。体感5.9ということだが、1箇所細いパートが…本当にナイン???と言いつつ取り付き、
細いパートに到着。わかったら、っていうところもあるが、5.10aとかでも良いのでは??ローカルグレードってやつはこうやって生まれるのであろう!!笑


続いてyamaya、グランドアップか、ハングドックか、迷った挙句、やはり男は黙ってグランドアップ。僕が先輩なら「やめとけ」と言いたいところではあるが、そこは
生粋のクライマーyamayaの男気を見届けることに。さすがに、#0.5辺りのキャメロットを決めた辺りでひとまずテンション!ふー、と一安心。
一度下りてきて、再度トライ、少しずつ高度を上げ、上部はそれほどではなかったようで(と言ってもある程度突っ込まないと進めないであろうが…)、トップアウト。
うーん、なんだか良い気配。

続いて私、あそこのクラックも良い気配、おそらく未登のライン。ボルダーに関しては、ここ数年は見つけて登ることしか頭にない自分、トラッドでも同じこと、見つけて見極めて登る、クライマー冥利に尽きるとはこのことだと実感。まずは取り付きに丁度良いであろうテラスへアプローチ。落ちたら波に飲み込まれて命がないと思い、大事をとってフィックスを張り無事テラスへ到着。うーん、思ったよりはマイルドな感じはするけど、面白そうなライン。







距離こそ短いけど、ハンドから一瞬フィンガー混じりの、それなりに内容がある面白いラインだと思います。「Adventure world #1 5.10b」写真右ライン


続いて、yamaya。クライミング中毒者は期待を裏切らない。核心であろう序盤を気合いで乗り切り、ストレニュアスな中盤を躊躇なく乗り切りグイグイ高度を上げていく。
結果的に終盤はそれほど厳しくはないとはいうものの、決して簡単ではなさそう、落ち着いて高度を上げ、無事トップアウト。やるなーー、君!!

その後、自分は例のテラスからの別ラインにトライ。こちらも、周囲のハンドサイズのクラックが無ければなー、という惜しいラインではあるものの、それなりに内容がある好ルート。「Adventure world #2 5.10a」 としておきます。写真左ライン





こちらの壁はこの辺で、意外にまだ登っていない、クラシックルートであるひじきとミレニアムも考えたが、アプローチを登り返して別ルートで懸垂するには時間が微妙、ということで、yamayaの気になる木がある、この壁の裏側、最果ての壁の対面へささっと懸垂。

うーん、あるね!そういう目で見ると、まだまだ未踏のルートはあるもんだな。大堂のポテンシャルの高さを改めて感じます。そう感じさせてくれたyamayaには感謝。
さすがのyamayaも、すんなりとはいかず、なんとなく探りながらとりあえずトップアウト、次回に持ち越し。

僕は、同じスタートから登りやすそうな別ライン。後半の、下からは見え辛かったテラス沿いはプチワイドセクション。キャメロット#6がなんとか効きそうなサイズではあるものの、あいにく持ち合わせおらず、泣きながら突っ込むことに。距離は短かくおそらくなんともないであろうが、かなり躊躇し、落ちれない緊張感を楽しみながら、なんとかトップアウト。「見つけて登る 5.10a」




この日の夜は、九州勢は帰って居らず、○暴夫妻とyabuカップルとの夜会、実は大堂はペイペイの自分にとって、貴重な情報をいただいたり、業界に精通しているからこその貴重な話や、面白いくだらない話などで盛り上がり、途中でyamayaも合流し、yabu氏の誕生日ケーキもいただき、有意義な夜を過ごせました。ありがとうございます。




最終日
yamayaはこの日で8日目くらい?最終日は近場でゆっくりしたいということで、自分も射程内のモンゴサンタマリア2ピッチ目を登り切りたいということもあり、帰れずエリアへ。
yamayaはこの壁のルートは大体登っているので、トレーニングも兼ねて、熱風セレナーデやモンゴサンタマリア1ピッチ目を何度も登り、その合間で私のモンゴ2ピッチ目のビレイ。ユマーリングありがとう。
僕はといえば、前回固めたムーブがしっくりこず、結局繊細な足使いが鍵ではあったのではあるが、不穏な空気が流れる。それでも、なんとかムーブは固まり、最終つなげトライ。これで登れなかったら来シーズンかな、そんな気持ちで挑んだ3トライ目、一度足がきれて、yamayaはいうまでもなく自分も落ちたと思いきや、フィンガージャムが効いていたようで、気合いで指で耐えノーフォール、これは登るしかないと、集中して一手一足を慎重に出していき、なんとか核心突破、上部は絶対落ちないようにと慎重に登りトップアウト。ふー、これで一安心!!




最後にyamayaはモンゴ1ピッチ目を再び登り、最後にして1度ミスってフォール、まーまー、ヨレとんやろね、とか言いながら、エリアを後にします。
帰りに寄りたかった道の駅大月にも寄ることができ、大堂を後にします。

そんなこんなで、大堂合宿第二章も幕を閉じます。


毎度思うことが、自分は本当にクライミングをしたいのか、なぜ登るのか、常に自問自答はあるけど、エリアに着き、いざ岩を登り始めると、本気で楽しめている自分と出会うことができる。そして、特にtradというスタイルでしか味わえない、岩そのものを登らせてもらっているという喜びを感じることができる。
大堂海岸もシーズン最終章に差し掛かっております。できる限り訪れ、できる限りの成果を上げたいなと思う次第です。次はどこ登ろうかな。しかし時間が足りない!!どうしようか!!ぼちぼちやりますかね。


P.S.マスターカム#1は神、最低2つは用意しましょう!!
P.S.その後、yamayaは二日目のプロジェクトを登りました!
P.S.自分は、大堂を代表するであろう美しい三つ星ライン「ひじき」を登りました。最高に良かった!

それでは、また次回