厚顔無恥な政治家から「知らなかった」の免罪符を剥奪せよ | 太田忠の縦横無尽

厚顔無恥な政治家から「知らなかった」の免罪符を剥奪せよ

政治家不信の出来事が続いている。


「クリーンで透明な」政治を目指す、と言っていた民主党に起こる現実はダーティーな現象ばかりである。「黒」の判定で逮捕者が出ているのにもかかわらず、その監督者であるはずの当人は知らぬ顔を決め込み、誰一人として責任を取ってケジメをつけようとしない。


私は昔から政治家に対して信頼をおく者ではないが、民主党政権になってから政治家各人の行動が対外的によく見えるようになり、政治家にふさわしい仕事をこなしている者、そうでない者がはっきりと峻別できるようになってきた。だからこそ、当たり前のごとく仕事をしている政治家との対比で、政治家としての資質に欠ける一部の人たちの非常識な言動がいっそう理解できないのである。


「全く知らなかった」という言い逃れのための免罪符をまず政治家から取り上げるべきだろう。監督者として部下や身内から重要な要件を当然相談され、最終判断を下しているはずの張本人が自分に都合の悪いことが発覚すると、既知の事実を「知らなかった」で済まして、何の制裁も受けないというのはそもそも民主主義に反している。


「知らなかった」と主張する厚顔無恥な人間に、その事実関係を立証する証拠を引っ張ってきて立件するのが困難ならば(そもそも困難なように仕組まれている)、犯罪や逮捕者が出るような事態が発生した時点で、有無を言わさず正しい判定を下す仕組みが必要である。「あくまでも当人の判断にまかせる」といったふざけたやり方ではなく、その事態を選挙ごとに選定された「国民の審判団」などを設置し、民意を即座に反映するという仕組みを作るべきであると思う。そうでなければ、厚顔無恥な人間は厚顔無恥であり続け、国家に害を及ぼす。


カネの問題で揺れる鳩山由紀夫、小沢一郎や献金問題の小林千代美 ― 。この半年間で明らかになった問題を抱える政治家に対する国民の民意は明らかである。フェアで透明な方向性に背を向けると、ろくでもない事態しか起こらないのは、国民に限らず政治家たちももう何十年も経験済みではなかったか?


それにしても、私が個人的に最も不思議に思うのは「平成の脱税王」と名指しされた鳩山由紀夫(弟の邦夫も含め)の子ども手当である。毎月1500万円の資金提供を「知らない」というのは噴飯ものもいいところである。


「由紀夫、お金を毎月手当てしますからね」


と当人の確認を取ってからおこなうのが普通の母親だ。そのような大金をどういう方法であれ当人が知らない状況において毎月渡すことなどありえない。一般庶民が「知らなかった」などと言おうものなら、立派な脱税となる。


太田忠の縦横無尽 2010.3.24

厚顔無恥な政治家から「知らなかった」の免罪符を剥奪せよ

        **太田忠投資評価研究所のHPはこちら**